インテリジェント ウェイブが中期計画をバージョンアップ、3年後の売上高34%拡大などめざす

■21年6月期の業績が計画を上回りクラウド事業など大きな成長を見込む

 インテリジェント ウェイブ<4847>(東1)は8月4日午後、これまでの中期計画をバージョンアップした中期事業計画(新計画、2022年6月期から24年6月期)などを発表し、到達年度の2024年6月期に、売上高150億円、営業利益は22.5億円(営業利益率15%)を計画するとした。

 同時に発表した21年6月期の業績は、売上高が前期比2.4%増の111.87億円となり、見直す前の中期計画の目標だった110億円を2%近く超過達成した。営業利益は同9.1%増の11.30億円(営業利益率10.1%)となった。こうした推移を受け、新たな中期事業計画を策定した。新中期計画の到達年度の目標は、売上高が21年6月期の実績を34%上回り、営業利益率は同じく4.9ポイント向上する。

■新型コロナの大きな影響はなく生産活動は順調に推移

 発表によると、同社の事業を取り巻く諸環境は、現段階で新型コロナウイルス感染症による悪影響はなく、システム開発業務やシステム運用業務の継続性に対する大きな影響はなく、生産活動は順調に推移している。

■金融業界以外の企業向けに新製品を開発、新市場の開拓にも挑戦

 同社では、提供するシステムを、オンプレミス型に加えてクラウドを利用したサービスも提供できる事業形態へ転換を進めている。従来のオンプレミス型の受託開発は、契約の規模や売上の計上時期が案件によって異なるため、「フロー型」のビジネスに分類される。一方で、クラウド利用のサービスは、継続的な契約期間内に安定した収益が期待できるビジネスとして「ストック型」と分類される。従来の「フロー型」を中心とした収益形態だけでなく、持続的な収益性が期待できる「ストック型」のビジネスを加えることで、安定的な収益基盤の拡大を進めている。

 また、金融業界以外の事業会社が、商圏拡大のために顧客向けに新規に決済サービスや金融サービスを提供する動きがある。また、当社の顧客企業が、新規事業の迅速な起ち上げのためにクラウドサービスを利用する等の動きも見られる。

 同社は、これまで、クレジットカードの業務のひとつであるアクワイアリング(加盟店管理)業務のシステムを中心に、クレジットカードの不正検知業務等、従来オンプレミス型で提供していたシステムをクラウド利用型へ展開してきた。顧客は、これらのサービスを利用することで、大規模な初期投資を必要とせずに事業を迅速に起ち上げることができる。そのため、金融業界以外の事業会社や、従来カード事業を行っていなかった企業のカード事業への新規参入を促している。クラウドサービス事業は、同社にとって、新規顧客獲得と事業規模拡大の重要な事業に成長している。

■クラウド事業は22年6月期の収益黒字化の見込み

 クラウド事業は、22年6月期の収益黒字化の見込みを経て、今後大きな成長を見込んでいる。24年6月期までに、主要な収益源としての成長が期待できるとした。

 また、同社は、これまで金融業界の開発業務で培った知識と経験を利用して、金融業界以外の企業向けに新製品を開発、新市場の開拓にも挑戦している。大量データのリアルタイム、高速処理を基盤にする当社の技術で、異業種の業務における潜在的な課題を発見し、解決することで新市場を開拓し、新しい収益の柱として育成していく計画だ。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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