ベステラは調整一巡、22年1月期大幅増益予想

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ベステラ<1433>(東1)は鋼構造プラント設備解体工事を展開し、解体工事会社としては類のない特許工法・知的財産の保有を強みとしている。22年1月期は大型案件が牽引して大幅増益予想としている。中期的に受注環境は良好であり、収益拡大基調を期待したい。株価は上値を切り下げたが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。なお9月9日に22年1月期第2四半期決算発表を予定している。

■鋼構造プラント設備解体のオンリーワン企業

 製鉄所・発電所・ガスホルダー・石油精製設備など鋼構造プラント設備の解体工事に特化したオンリーワン企業である。

 製鉄・電力・ガス・石油・石油化学業界(製鉄所・発電所・石油精製・石油化学設備など)向けを主力とするプラント解体工事、および特定化学物質・アスベスト・ダイオキシン・土壌汚染などの環境関連対策工事を展開している。主要顧客はJFEグループ、日本製鉄グループ、東京エネシス、IHIグループなどである。

 21年1月期の完成工事高の構成比は、電力が18%、製鉄が37%、石油・石化が34%、ガスが2%、子会社3Dビジュアルが3%、その他が6%だった。なお顧客の設備投資計画に応じた季節性があり、下期に完成工事高が増加する傾向が強い。

 大手企業のエンジニアリング子会社を中心とした優良な顧客基盤、豊富な工事実績に基づく効率的な解体マネジメント、解体工事会社としては類のない特許工法・知的財産の保有を強みとしている。技術関連では、球形ガスホルダー解体「リンゴ皮むき工法」や火力発電所等の「ボイラ解体方法」の特許を取得し、遠隔操作による溶断ロボット「りんご☆スター」も開発している。

 20年2月には、インターアクション<7725>から3Dスキャン・3Dモデリング事業およびプラント設計事業を譲り受け、新会社3Dビジュアルとして事業を開始した。20年9月にはリバーホールディングス<5690>を持分法適用関連会社化した。

■プラント解体需要は中期的に増加予想

 第5次エネルギー基本計画や、脱炭素化に向けた2050年カーボンニュートラル宣言の国策も背景として、1960年代の高度成長期以降に建設された老朽化プラントの解体工事の増加が予想されている。受注環境は良好である。

 中期経営計画2025(22年1月期~26年1月期、ローリング方式)では、目標値に26年1月期売上高100億円、営業利益10億円、経常利益10億72百万円、当期純利益7億52百万円、売上高営業利益率10.0%、ROE13.0%、EPS91円を掲げている。配当性向の目安は40%としている。

 重点戦略として、競争力のある特許工法による解体方法の提案・実用化、元請案件の受注拡大による収益力向上、コーポレートブランディングの強化、グループ企業との連携強化、協業先企業との連携強化、施工管理体制の強化、M&Aも活用した重要技術の内製化、DX(検査ロボット活用、設計・施工業務の変革)などを推進する。

 なお中期経営計画の達成に向けた資金調達として、第三者割当による第9回および第10回新株予約権(行使価額修正条項付)を発行した。割当先の投資信託(Hayate Japan Unit Trust)は、企業への直接の資金提供(真の直接金融)を設立段階から謳った日本初の投資信託で、今回の案件が第1号となる。

 調達資金は、プラント解体技術と相乗効果が高い4分野(脱炭素化に向けた設備の廃止措置に関する分野、風力発電設備の解体に関連する分野、3D事業価値追求のためのデジタル関連分野、解体施工技術の高度化を目的とした専門工事分野)へのM&A投資、および規模拡大に対応した営業担当者・採用担当者等の増員や拠点拡充などに充当する。また事業成長のための財務基盤の強化を推進する。

■22年1月期大幅増益予想

 22年1月期連結業績予想は、売上高が21年1月期比52.1%増の56億円、営業利益が3.6倍の4億50百万円、経常利益が2.4倍の5億18百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.5倍の3億60百万円としている。配当予想は21年1月期と同額の16円(第2四半期末6円、期末10円)である。

 21年1月期に受注した電力および化学関連の大型案件が牽引して大幅増収増益予想としている。さらに今後の需要拡大が予想される原子力発電所廃止措置関連解体、風車解体などの領域にも受注活動を展開・強化する方針だ。

 第1四半期は、売上高が前年同期比46.3%増の13億18百万円、営業利益が13倍の1億98百万円、経常利益が12倍の1億96百万円、四半期純利益が26倍の1億32百万円だった。大型工事が順調に進捗し、工事原価低減効果も寄与して大幅増収増益だった。

 売上総利益率は26.9%で7.5ポイント上昇した。なお受注高は40.7%減の7億90百万円、完成工事高は52.4%増の12億25百万円、期末受注残高は33.6%増の20億80百万円となった。

 第1四半期の進捗率は売上高が23.5%、営業利益が44.1%と順調である。工事原価低減効果も寄与して通期予想に上振れ余地がありそうだ。中期的に受注環境は良好であり、収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年1月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年1月31日現在1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 なお新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果として、7月9日に東京証券取引所から、プライム市場において規定される上場維持貴君のうち、流通株式数、流通株式比率、売買代金は適合だが、流通株式時価総額が不適合との通知を受けた。この結果に基づき、プライム市場の上場維持基準への適合に向けた計画書を作成・開示し、上場維持基準に係る経過措置の適用を受けるとともに、プライム市場の全ての基準の充足を目指して流通株式時価総額の向上に取り組むとしている。

 株価は1月の年初来高値圏から上値を切り下げたが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。8月4日の終値は1393円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円76銭で算出)は約32倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.1%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS315円08銭で算出)は約4.4倍、時価総額は約118億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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