巴工業がAIで自律的に運転を制御する遠心分離機を発売開始

■熟練オペレーターの細かな操作を24時間作り出せないかとの発想で開発

 巴工業<6309>(東1)はこのほど、AIが自律的に遠心分離機の運転制御を行う新しいデカンタ自動運転制御システム「セントニオ(CentNIO)」を発売開始した。

 分離した処理物の画像や各種センサーの数値を基に、AIが自律的に遠心分離機の運転制御を行う。脱水後の固形物や分離液を常時監視し、AIが自動解析し運転制御に反映する。

■2018年よりAIを活用した自動運転制御システムの開発に着手

 同社は、「機械製造販売事業」と「化学工業製品販売事業」が2本柱の主事業。このうち、デカンタ型遠心分離機は機械製造販売事業の主力製品になる。

 デカンタ型遠心分離機は、その運転制御において安定的に連続運転を可能とするために、動作の上限および下限値の余裕を大きめに設定する必要があった。ただ、余裕を大きめに設定することによって運転にロスが生じていた。

 熟練のオペレーターが現場にいて細かな操作をするのと同じ状況を24時間作り出せないか、といった発想から、2018年よりAIを活用した自動運転制御システムの開発に着手し、このたび実用化にこぎつけた。

 新製品「セントニオ(CentNIO)」では、従来型の制御では得られなかった下記の問題解決を実現する。
(1)含水率の低減や処理量の最大化など予め設定した優先項目に従い、熟練技術者が操作するように遠心分離機
を継続的に最大性能で運転することが可能になる。
(2)遠心力の最適化による省エネ、薬注率の最適化によるコスト低減、処理量の最大化による生産性向上。
(3)遠隔地からの制御やモニタリングも可能なため、人手不足の解消や労働環境の改善にも寄与する。
(4)AIが自律的に遠心分離機を制御するため、技術継承問題の解消にも繋がる。

 今後も自動運転制御技術のさらなる進化、高度化を図り、これら諸問題の解決により、SDGsへの取り組みに貢献していく方針だ。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る