【アナリスト水田雅展の銘柄分析】フランスベッドホールディングスは今期減益見通しを織り込んで下値固め完了感、出直り展開期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 介護・福祉関連のフランスベッドホールディングス<7840>(東1)の株価は、今期(15年3月期)業績見通し減額修正により10月27日安値171円から反発し、11月以降は概ね180円~185円近辺で推移している。今期減収減益見通しを織り込んで下値を固めた形だろう。出直り展開が期待される。

 メディカルサービス事業(介護・福祉関連用具のレンタル・販売、介護予防の通所介護施設「悠々いきいき倶楽部」運営など)、インテリア健康事業(家庭用高級ベッド、医療・介護用ベッド、リハビリ商品など)、その他事業(日用品雑貨販売など)を展開している。

 成長分野のシニア・シルバービジネスに経営資源をシフトして、医療・介護用電動リクライニングベッド・マットレス、アクティブシニア向け「リハテック」ブランドの電動アシスト三輪自転車やハンドル型電動三輪車いす、さらに他社に真似のできない商品としてリフトアップチェア、リフトアップ車いす、超低床フロアーベッド、在宅・病院・福祉施設向けの徘徊防止通報システムなど、独自の新商品・新サービスの開発・投入を強化して介護・福祉用具レンタル市場でのシェア拡大戦略を推進している。さらに新規販売チャネル開拓で病院・施設向け取引も拡大する方針だ。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(10月24日に減額修正)は売上高が前期比2.3%減の536億円、営業利益が同21.4%減の22億円、経常利益が同20.9%減の22億円、純利益が同28.4%減の10億円としている。なお配当予想は前回予想(5月15日公表)を据え置き、記念配当50銭を落として前期比50銭減配の年間4円50銭(第2四半期末2円25銭、期末2円25銭)としている。

 第2四半期累計(4月~9月)は前年同期比2.6%減収、同32.1%営業減益、同31.5%経常減益、同40.6%最終減益で、売上高、利益とも計画を下回った。メディカルサービス事業は同0.9%減収だった。介護レンタルは同3.0%増収と堅調だったが、病院施設部門が新築案件の減少などで同6.5%減収と苦戦した。インテリア健康事業は同3.0%減収だった。家具小売市場における消費増税の影響が長期化しているようだ。その他事業は同12.7%減収だった。

 通期ベースでは介護レンタルの市場シェア拡大、病院施設部門での新製品販売促進、インテリア健康事業でのアクティブシニア向け「リハテック」ブランドの販路拡大、原材料価格上昇に伴う価格改定などを推進する。 またインテリア健康事業の過剰在庫については、円安進行に伴う価格競争力回復もあり、大量見込み生産から少量多品種受注生産への切り替えを促進する方針だ。消費増税の影響を受けた第2四半期累計がボトムとなり、下期以降は収益改善基調が期待される。

 株価の動きを見ると、今期業績見通し減額修正による10月27日安値171円から反発し、11月以降は概ね180円~185円近辺で推移している。今期減収減益見通しを織り込んで下値を固めた形だろう。

 12月9日の終値182円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円66銭で算出)は39倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円50銭で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS165円85銭で算出)は1.1倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、10月安値圏まで下押す動きは見られない。下値固めが完了して出直り展開が期待される。

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