【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ネットワークバリューコンポネンツは下値固め完了して出直り、収益改善やサイバーセキュリティ関連を評価

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ネットワークバリューコンポネンツ<3394>(東マ)はネットワーク関連製品の輸入販売を展開している。株価は3000円近辺で下値固めが完了して出直る動きだ。16日に4400円まで上伸して2月の年初来高値4400円に面合わせした。15年12月期の収益改善やサイバーセキュリティ関連を評価して続伸展開だろう。

 情報通信ネットワーク関連製品の輸入販売・運用・保守事業(ネットワークソリューション事業およびネットワークサービス事業)を展開している。

 クラウド関連、モバイル関連、セキュリティ関連、サービス関連などを重点分野として海外の先端技術を開拓し、国内を代表するIT先進企業へ最適なソリューションとして提供する。企業内セキュリティ対策チームをバックアップするNVCプライベートSOC運用支援サービスも提供している。ライセンス収入や保守・運用収入などの売上構成比が高く、ストック型の収益構造であることも特徴だ。

 15年1月にはユニファイド・セキュリティー・サービス部門を新設した。セキュリティ商材の販売・設計・構築・保守サービス・マネージドサービスなど、従来各部門で個別に行ってきた各種セキュリティサービスを統合し、より質の高いサービスの提供を目指す方針だ。

 中期成長に向けて先端的ネットワーク関連商品の投入、パートナー企業との協業推進などで、プロジェクト単位での受注拡大を目指している。13年5月には新日鉄住金ソリューションズ<2327>と資本・業務提携した。

 13年8月米ニクサン社のネットワーク監視ソリューション製品に関する販売代理店契約、13年10月カナダのノビフロー社が開発したオープンフロー関連製品の国内独占販売代理店契約を締結した。

 14年9月米スレットストップ社のリアルタイムIPおよびドメインレピュテーションサービスに係る国内販売代理店契約を締結、15年2月ネットワークセキュリティ専業メーカーであるNSFOCUS社の日本法人NSFOCUSジャパンと国内販売代理店契約を締結した。

 15年4月にはファイア・アイ社と、同社の標準型マルウェア防御システム製品についてゴールドパートナー契約を締結した。15年5月には、標準型サイバー攻撃を強力にストップする米スレットストップ社のIPレピュテーションサービス「ThreatSTOP」を運用支援する「NVC ThreatSTOPサービス」の提供を開始した。

 また6月5日には、NSFOCUS社が提供するWebサイトの脆弱性をスキャニングするソリューション「WVSS」の国内販売を開始すると発表した。

 今期(15年12月期)の連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期比6.9%増の30億81百万円、営業利益が同6.1倍の1億76百万円、経常利益が同19.6倍の1億57百万円、純利益が同36.0%増の89百万円としている。配当予想は無配継続としている。

 第1四半期(1月~3月)は、売上高が前年同期比18.6%増の9億39百万円、営業利益が同12.4%増の48百万円、経常利益が同2.2%減の43百万円、純利益が同29.3%減の20百万円だった。

 ネットワークソリューション事業でセキュリティ関連や無線LAN関連、ネットワークサービス事業で保守やマネージドVPNなどの自社サービスが好調に推移して大幅増収だった。

 利益面では、低採算大型案件による売上総利益率の低下や、子会社イノコスの不振があったが、増収効果やのれん償却の減少で吸収して2桁営業増益だった。経常利益については支払手数料の増加で減益、純利益については繰延税金資産取崩の増加で減益だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が30.5%、営業利益が27.3%、経常利益が27.4%、純利益が22.5%と概ね順調な水準である。通期ベースでも収益改善基調だろう。

 先端的なネットワーク関連商品の投入、パートナーとの協業強化、自社サービスの強化に取り組み、セキュリティ、モバイル、クラウドの重点3分野での事業展開に注力するとしている。子会社イノコスの収益改善が課題だが、中期的に収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、3000円近辺で下値固めが完了して出直りの動きを強めている。6月16日には4400円まで上伸する場面があり、2月の年初来高値4400円に面合わせした。

 6月22日の終値4010円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円06銭で算出)は42~43倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS218円52銭で算出)は18倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して急伸した。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線も一気に突破した。そして13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスも接近している。収益改善基調やサイバーセキュリティ関連を評価して続伸展開だろう。

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