ケンコーマヨネーズは底打ち感、22年3月期上振れの可能性、8月24日は「ドレッシングの日」

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野から、タマゴ加工品やサラダ・総菜分野への事業領域拡大戦略を推進している。22年3月期第1四半期は新型コロナ影響が和らいで2桁増収となり、各利益は黒字転換した。通期減益予想を据え置いたが上振れの可能性が高いだろう。なお8月24日は「ドレッシングの日」である。株価は7月の年初来安値圏から切り返して底打ち感を強めている。出直りを期待したい。

■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手

 サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)の総菜関連事業等、その他(ショップ事業など)を展開している。ロングライフサラダは国内1位、マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位の市場シェアである。ショップ事業のSalad Cafe(サラダカフェ)は百貨店などに出店し、主に女性をターゲットにした顧客拡大戦略を推進している。

 21年3月期の商材別売上高構成比はサラダ類44%、タマゴ類26%、マヨネーズ・ドレッシング類25%、その他6%、分野別売上高構成比は量販店28%、CVS27%、外食24%、パン13%、給食4%、その他4%だった。21年3月期は新型コロナ影響で量販店向けの構成比が上昇し、外食向けが低下した。

 収益面では、鶏卵や野菜などの原材料価格が変動要因となりやすく、プロダクトミックス、工場操業度、原燃料コストなどの影響を受ける。利益還元については連結ベースでの配当性向20%を意識し、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。

■事業領域拡大と生産能力増強を推進

 新中期経営計画KENKO Transformation Plan(21年度~23年度)では、目標値に24年3月期売上高800億円、経常利益40億円を掲げている。withコロナ・afterコロナという事業環境変化に対応し、基本方針として4つのテーマ(BtoBtoC、イノベーション、構造改革、グローバル)に取り組む。

 BtoBtoCでは消費者へのブランド認知度向上、使い切り・個食形態の商品開発、イノベーションではSDGsの観点を取り入れたメニュー・商品開発(賞味期限延長など)、サラダショップ展開の加速、生産面でのカーボンニュートラルの実現(静岡富士山工場を環境モデル工場と位置付け)、構造改革では基盤事業の成長に向けた取り組み(分野別事業戦略、新販路への取り組み)、グローバルでは海外拠点(北米販売拠点設立検討、インドネシアIKI社への支援拡大)や輸出販売の拡大などを推進する。

 なお21年7月には「食を通じて世の中に貢献する」という企業理念に基づいてサスティナビリティ方針を公開した。加工ロス削減による廃棄物削減などの目標を設定した。7月14日には21年9月にニューヨークで開催予定の「国連食料システムサミット2021」への支持表明とコミットメント提出を発表した。

■22年3月期は原料価格高騰で減益予想だが保守的

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比6.9%増の732億円、営業利益が27.6%減の14億30百万円、経常利益が26.9%減の15億円、親会社株主帰属当期純利益が28.0%減の10億50百万円としている。配当予想は5円減配の15円(第2四半期末7円、期末8円)としている。

 セグメント別売上高の計画は、調味料・加工食品事業が7.1%増収(サラダ・総菜類が6.0%増収、タマゴ加工品が5.2%増収、マヨネーズ・ドレッシング類が10.3%増収)、総菜関連事業等が5.8%増収、その他(Salad Cafeなど)が10.9%増収としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比16.3%増の182億82百万円で、営業利益が4億03百万円(前年同期は55百万円の赤字)、経常利益が4億15百万円(同36百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が2億74百万円(同53百万円の赤字)だった。

 新型コロナ影響が和らいで2桁増収となり、各利益は黒字転換した。売上面では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための飲食店休業・営業時間短縮に伴う売上減少要因があったが、前年同期に比べて影響が軽微にとどまった。中食やテイクアウト需要が伸長し、コンビニ向けも回復基調となった。利益面では、原料価格高騰の影響があったが、売上高増加に伴う工場稼働率の向上や経費削減などで吸収した。

 セグメント別には、調味料・加工食品事業は売上高が15.5%増の138億30百万円で経常利益が2億40百万円(前年同期は12百万円の赤字)、総菜関連事業等は売上高が18.4%増の42億50百万円で経常利益が5.7倍の2億49百万円だった。

 通期予想は据え置いた。テイクアウト需要に対応した商品ラインナップの拡充、ドラッグストアなどの新販路拡大、マヨネーズ類の価格改定(21年7月から)、さらにサラダカフェのブランド強化などで増収を見込むが、食用油や鶏卵など主要原料の価格高騰の影響で減益予想としている。

 ただし保守的だろう。通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25.0%、営業利益28.2%、経常利益27.7%、当期純利益26.1%と順調だった。新型コロナ影響が和らいで通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益回復を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は底打ち感

 なお21年2月19日発表の自己株式取得(上限20万株・4億円、取得期間21年2月22日~22年2月21日)については、21年8月19日時点で累計取得株式数20万株となって終了した。

 株価は7月の年初来安値圏から切り返して底打ち感を強めている。出直りを期待したい。8月23日の終値は1517円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS63円73銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想15円で算出)は約1.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2159円46銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約250億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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