【編集長の視点】SEMITECは連続過去最高の業績上方修正を手掛かりに割安ハイテク株買い

 SEMITEC<6626>(JQS)は、今年8月12日の今2022年3月期第1四半期(2021年4月~6月期、1Q)決算の開示とともに、今3月期通期業績の上方修正を発表し期初の減益転換予想が増益と変わり、前期に続き純利益が過去最高を更新することを手掛かりに割安修正買いとなっている。同社株は、今期業績の上方修正で2日連続のストップ高を演じたが、前期業績も、第2四半期業績を含めて合計4回も上方修正しその度ごとにストップ高する急騰癖を発揮しており、今回もこの値幅効果が期待されている。

■体温計向けセンサーの特需剥落も自動車・家電向けセンサーが好調

 同社の今3月期通期業績は、期初予想より売り上げを12億7000万円、営業利益、経常利益を8億7000万円、純利益を7億2500万円それぞれ引き上げ、売り上げ200億円(前期比11.9%増)、営業利益30億円(同8.0%増)、経常利益30億1000万円(同9.4%増)、純利益20億9500万円(同8.8%増)と期初の減収減益転換予想が増収増益となり、純利益は、前期の過去最高(19億2500万円)を連続更新するとともに、市場コンセンサスも4億円弱上回った。

 同社の業績の上方修正は、前期前半が、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な感染爆発)で体温計向けの温度センサーに中国、米国を中心に特需が発生して医療部門の売り上げが大きく伸びたことによるもので、後半は自動車、家電・住設製品の生産回復に伴うセンサー需要の拡大が背景となっていた。今期は、期初に温度センサーの特需剥落で慎重に減益転換と予想していたが、今期1Qの医療部門の売り上げは、5億5100万円(前年同期比17.8%減)にとどめて回復基調にあり、家電・住設部門が12億4300万円(同61.8%増)、自動車部門が14億8600万円(同53.3%増)と大幅増収となったことが寄与している。

■PER12倍の割安修正でストップ高癖を発揮し最高値も視界

 株価は、昨年8月の前期1Qの好決算と自己株式取得発表でストップ高して3740円高値をつけ、昨年11月の前期第2四半期累計業績の上方修正でもストップ高して6500円高値まで買われ、今年2月の前期業績の2回目の上方修正でもストップ高して6070円高値までリバウンドし、その後、25日移動平均線を出没する調整場面が長引いたが、今年8月の今期業績の上方修正とともに2日連続のストップ高を演じて8280円高値まで急伸した。同高値後は、8000円大台を固めるもみ合いを続けていたが、早くも一時年初来高値9030円をつけるなど切り返した。それでもPERは12倍台となお割安であり、ストップ高癖を発揮し次の上値フシの2018年9月高値8640円高値抜けから、最終的には2018年1月の上場来高値1万1360円も視界に捉えよう。(日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集長・浅妻昭治)

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