【注目銘柄】シチズンは業績上方修正と増配を手掛かりに値ごろ割安株買いが増勢

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【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

 シチズン時計<7762>(東1)は7日、511円まで上げて年初来高値を更新。同社株は、今年8月13日の今2022年3月期第1四半期(2021年4月~6月期、1Q)決算の開示とともに、今3月期第2四半期(2021年4月~9月期、2Q)累計業績・3月通期業績を上方修正し、V字回復を鮮明化させるとともに、年間配当の増配も発表しており、これを手掛かりに値ごろ割安株買いが増勢となっている。また業績上方修正は、2Q累計業績の上方修正分だけ通期業績に上乗せするだけにとどまり、さらに上ぶれ余地があることや、国内大手証券が相次いで目標株価を引き上げたことも、サポート材料視されている。

■時計事業のEC販売が好調で工作機械事業も大幅増収増益

 業績上方修正のうち今3月期通期業績は、期初予想より売り上げを80億円、営業利益を38億円、経常利益を40億円、純利益を28億円それぞれ引き上げ、売り上げ2680億円(前期比46.1%増)、営業利益138億円(前期は95億5100万円の赤字)、経常利益150億円(同44億1400万円の赤字)、純利益115億円(同251億7300万円の赤字)とV字回復を見込んでいる。時計事業では、北米、中国でのEC販売が好調で、ムーブメント事業では機械式ムーブメントが堅調で高付加価値のアナログクオーツムーブメントも回復したことなどが寄与する。今期通期の時計事業は売り上げが前期比29.7%増、営業利益が40億円(前期は81億9200万円の赤字)、同じく工作機械事業は売り上げを43.4%増、営業利益を3.0倍増と予想している。

 なおこの通期業績の上方修正は、2Q累計業績の上方修正分だけ上乗せし、下半期業績は期初予想の据え置きとしていることから、期の進行とともに通期業績の再上ぶれ期待も高めている。今3月期年間配当は、配当と自己株式取得の合計額の純利益に対する比率である株主還元性向を60%以上とする配当政策に基づき、期初予想の14円を18円(前期実績5円)と増配幅を拡大させ、中間配当、期末配当とも9円を予定しており、これも業績の再上ぶれ次第では再増配の目も残る。

■PER13倍、配当利回り3.5%の修正で2019年2月高値目指す

 株価は、昨年10月の260円安値から前期四半期業績が赤字ながらその赤字幅が縮小したことを評価して底上げし、今年2月の前期業績の上方修正では434円まで買い進まれ、配当権利落ち安値354円からは今期業績の黒字転換・増配予想で452円へリバウンド、今期業績の上方修正・増配で高値をつけた。足元では高値もみ合いを続けたが、出直って一時年初来高値を更新した。PERは13倍台、配当利回りは3.54%と割安で値ごろ妙味もあり、昨年1月高値594円抜けから2019年2月高値658円が上値フシとして意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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