【注目銘柄】荏原は業績上方修正を手掛かりに割安半導体関連株買いが増勢

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 荏原<6361>(東1)は、上場来高値まで大きく上昇しただけに目先の利益を確定する売り物も交錯しているが、今年8月13日に今2021年12月期予想業績の上方修正と年間配当も増配を発表し、業績が大幅に続伸して過去最高を更新することを手掛かりに半導体関連の割安株買いが増勢となっている。今年12月23日を期限に自己株式取得(上限520万株、200億円)を継続し、その取得全株式を消却(消却日・2022年1月31日)予定にあることも、好需給要因としてサポート材料視されている。

■コンプレッサ、CMPなどが牽引し最高業績を更新し大幅増配

 同社の今2021年12月期予想業績は、今年8月2日に今期第2四半期(2021年1月~6月期、2Q)累計業績が上方修正され、その2Q累計決算開示とともに今度は12月期通期業績が上方修正された。期初予想より受注高が380億円、売り上げが175億円、営業利益が105億円、税引前利益が110億円、純利益が75億円それぞれ引き上げられ、受注高は7010億円(前期比11.6%増)と続伸し、売り上げ5915億円、営業利益560億円、税引前利益555億円、純利益370億円とした。今期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用するため前期比較はないが、前期実績と単純比較すると前期比12.9%増収、47.8%営業増益、50.5%税引前増益、52.1%純益増益と大きく増収増益率を伸ばし、純利益は過去最高の281億9100万円(2011年3月期)を更新する。

 コンプレッサ・タービン事業を中心に主力の風水力事業の受注高、売り上げ、セグメント利益など収益性が改善し、精密・電子事業でも、半導体関連のCMP(化学的機械研磨装置)を中心に期初予想より受注高が200億円、売り上げが300億円、セグメント利益が35億円上ぶれると見込んだことなどが要因となる。配当は、中間配当は期初予想の50円(前年同期実績30円)を据え置いたが、期末配当を30円引き上げて80円として年間130円(前期実績90円)と連続増配幅の拡大を予定している。

■自己株式取得もサポートし割安修正で上値チャレンジ

 株価は、今年7月の中間配当の権利落ち後安値5180円から今期2Q累計業績の上方修正で5770円へリバウンドし、今12月期通期業績の上方修正が続いて6020円まで上値を追った。同高値後は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う全般相場の調整とともに往って来いとなる5180円まで調整したあと大きく出直り、国内大手証券の目標株価引き上げもオンして上場来高値追いとなった。PERは16倍台となお相対的に割安であり、今年8月31日現在でまだ192万株超の取得にとどまっている自己株式取得継続の好需給も支援し、最高値抜けから上値チャレンジを強めよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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