加賀電子は1Q決算発表後の調整を奪回し高値を更新、「目標株価」相次ぎ買い安心感

■最高益の背景に「半導体調達能力」、EMS事業とのコラボで好業績続く

 加賀電子<8154>(東1)は9月13日、3270円(105円高)まで上げた後も3200円台で強い相場を続け、約1ヵ月ぶりに年初来の高値を更新、2017年以来の高値に進んでいる。連続最高益を更新する見込みの好業績を受け、このところ証券会社による投資判断や目標株価の引き上げが相次ぎ、買い安心感が広がる雰囲気となっている。

■いちよし経研は5000円、SBI証券は4800円

 いちよし経済研究所は8月10日付で加賀電子株式への評価を引き上げ、フェアバリュー(適正株価)を5000円(従来比500円高)に見直した。続いて、SBI証券が9月9日付で目標株価を引き上げ、それまでの3900円を一気に4800円に引き上げた。

 加賀電子の第1四半期連結決算(2021年4~9月:1Q)は売上高が前年同期比で25.9%増加し、営業利益は前年同期の2.69倍、経常利益は同2.98倍となり、第1四半期としては過去最高を更新した。SBI証券のリポートは、「営業利益が好調だった要因は、長い歴史と経験をもつ電子部品商社としての半導体調達能力が発揮されたためと考える」とした上、「同社顧客は、同社から半導体・電子部品を購入することで生産計画に支障をきたすリスクを減らすことができたと推定される」などと評価。業績見通しを引き上げた上で、「半導体商社とEMS事業のコラボレーションで22/3期以降も好業績が継続するという見方に変更ない」とした。

 このところの株価は、第1四半期決算を発表した後に急伸して2017年以来の高値である3225円(8月6日)まで上げ、その後に調整したものの、直近は完全に回復して高値を更新した。市場関係者からは、「同じ好業績への期待でも、目先的な業績への期待で買っていた投資家は調整過程でかなり手離したとみられ、需給面ではむしろ値が軽くなった可能性がある」といった見方が出ている。13日で9日続伸(前日比変わらずを1日含む)になるため、目先は騰勢一服が訪れても不自然ではないが、中勢での方向性は、いちよし経研やSBI証券の目標株価が示している。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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