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ティムコは急動意で07年以来の高値圏、21年11月期は2桁増収・黒字転換予想
- 2021/9/17 08:55
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ティムコ<7501>(JQ)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。コロナ禍で3密を避ける屋外アクティビティとして「釣り」や「アウトドア」の関連市場が拡大している。このような事業環境も追い風として21年11月期は2桁増収で黒字転換予想としている。収益改善基調を期待したい。株価は急動意の形となって07年以来の高値圏まで上伸する場面があった。目先的には乱高下の可能性もあるが、低PBRも見直し材料であり、上値を試す展開を期待したい。
■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売
フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。
20年11月期セグメント別売上高構成比はフィッシング事業が33%、アウトドア事業が66%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。
基本戦略として、規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業ではフライ用品の裾野拡大やルアー用品のユーザー層拡大、アウトドア事業ではオリジナルアウトドアブランド「Foxfire」や直営店舗「Foxfire Store」の認知度向上・ユーザー層拡大に取り組んでいる。
またネット通販や宣伝販売促進の更なる強化、フィッシング事業の強化、直営店フォックスファイヤーの販売チャネル見直しや不採算店舗整理による事業効率化、社内業務見直しによる販管費コントロール・経費削減なども推進している。
なお19年4月にスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となっている。商品開発・販売などを共同展開する。
■21年11月期は2桁増収・黒字転換予想
21年11月期の業績(非連結)予想(7月13日に売上高、営業利益、経常利益を上方修正)は、売上高が20年11月期比16.5%増の31億07百万円、営業利益が26百万円の黒字(20年11月期は1億34百万円の赤字)、経常利益が38百万円の黒字(同1億27百万円の赤字)としている。当期純利益は特別損失10百万円を計上するため0百万円(同2億28百万円の赤字)としている。配当予想は据え置いて20年11月期と同額の5円40銭(期末一括)としている。
第2四半期累計は売上高が前年同期比39.9%増の15億03百万円、営業利益が25百万円の赤字(前年同期は1億06百万円の赤字)、経常利益が17百万円の赤字(同1億04百万円の赤字)、四半期純利益が35百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)だった。大幅増収で赤字縮小した。
フィッシング事業は48.4%増収で113.9%増益だった。コロナ禍で3密を避ける屋外アクティビティとして「釣り」関連市場が拡大し、ルアー用品の新製品が好調に推移した。アウトドア事業は35.3%増収だが赤字がやや拡大した。アウトドア人気、直営店の増加、前年の1回目の緊急事態宣言に伴う臨時休業・時短営業の反動増などで大幅増収だが、値引き販売の影響や直営店舗増加に伴う運営経費増加で利益が伸び悩んだ。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高7億07百万円で営業利益60百万円の赤字、第2四半期は売上高7億96百万円で営業利益35百万円の黒字だった。第2四半期は営業黒字に転換した。
通期ベースでもフィッシング事業が好調に推移し、全体として2桁増収で黒字転換予想としている。なお新型コロナウイルス感染症再拡大による緊急事態宣言に伴い、販管費に計上を見込んでいた経費の一部(直営店臨時休業等で期間中に発生した店舗スタッフ人件費、その他店舗家賃)を特別損失として計上する。
コロナ過で3密を避ける屋外アクティビティとして「釣り」や「アウトドア」の関連市場が拡大している。このような事業環境も追い風として収益改善基調を期待したい。
■株主優待制度は毎年11月末の株主対象
株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。
■株価は07年以来の高値圏
22年4月に移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果としてスタンダード市場への上場維持基準適合を確認したため、7月16日開催の取締役会においてスタンダード市場を選択することを決議した。今後はスタンダード市場の申請に係る所定の手続きを進める。
株価は急動意の形となって07年以来の高値圏まで上伸する場面があった。目先的には乱高下の可能性もあるが、低PBRも見直し材料であり、上値を試す展開を期待したい。9月16日の終値は860円、今期予想配当利回り(会社予想5円40銭で算出)は約0.6%、前期実績PBR(前期実績のBPS1824円37銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約29億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)