マルマエは上値試す、8月の受注残高は前年比128.1%増、22年8月期も収益拡大基調

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 マルマエ<6264>(東1)は半導体・FPD製造装置向け真空部品などの精密切削加工を展開している。受注好調で21年8月期大幅増収増益予想としている。さらに21年8月の受注残高は前年比128.1%増(20年8月は7億91百万円、21年8月は18億04百万円)と過去最高水準で推移している。22年8月期も収益拡大基調だろう。株価は8月の直近安値圏から切り返して戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。なお10月8日に21年8月期決算発表を予定している。

■半導体・FPD製造装置向けの精密切削加工およびEBWを展開

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工、および電子ビーム溶接(EBW)を展開している。

 作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)では、18年7月第二種医療機器製造販売業の許可を取得し、医療機器製造業の登録を行った。

■22年8月期営業利益20億円目標

 中期事業計画の数値目標は22年8月期売上高70億円、営業利益20億円、資産ベースROIC18%、負債ベースROIC14%、配当性向30%以上、年間最低配当額10円(最終損益が赤字となる場合は見直し)を掲げている。設備投資の計画(CFベース)は増産投資および自社使用目的の太陽光発電投資を中心に、20年8月期3.4億円、21年8月期9.1億円、22年8月期10億円としている。

 売上拡大戦略として半導体分野では、市場成長も背景として既存顧客からの受注品種拡大、デバイスメーカーの稼働向上による消耗品の拡大を見込み、新規顧客獲得も推進する。既存顧客の売上に関しては20年8月期から22年8月期で約26%成長を目指す。新規顧客の売上に関しては2社からの受注を獲得(1社目は20年8月期量産開始、2社目は試作品提供開始)しており、20年8月期の1.2億円から22年8月期には12億円(1社目8億円、2社目4億円)を目標とする。

 FPD分野の売上は20年8月期の10.6億円から、22年8月期に16億円を目指す。市場環境として21年8月期は市場縮小、22年8月期に高精細化投資で再拡大を想定し、EBWを活用した新規顧客獲得や、同業他社の撤退などによる市場シェア拡大を見込んでいる。

 その他分野ではEBWに続く新技術習得による新分野開拓、リハビリ機器の研究開発などを推進する。

 また中長期的な取り組みとしてESG経営を推進する。再生可能エネルギー活用によるCO2削減を推進するため、30年8月期に年間使用量50%以上を太陽光で自社発電する計画(30年8月期までに合計424百万円を設備投資)としている。さらに、職場環境向上の取り組みではワークライフバランスを整え、女性が継続して働ける職場づくりを目指す方針だ。

■21年8月の受注残高は前月比前年比128.1%増

 月次の受注残高(速報値)を見ると、21年8月は半導体分野が12億09百万円(前月比7.8%増、前年同月比108.6%増)、FPD分野が5億27百万円(前月比10.2%増、前年同月比157.1%増)、その他分野が67百万円で、合計が18億04百万円(前月比10.4%増、前年同月比128.1%増)となった。合計ベースの受注残高は23ヶ月連続で前年同月比プラスとなり、過去最高水準で推移している。

 今後の動向として、半導体分野はロジック向け中心に活況な市場環境が予想され、FPD分野も中小型OLED中心に受注好調が継続する見込みとしている。

■21年8月期2桁営業・経常増益予想、22年8月期も収益拡大基調

 21年8月期業績(非連結)予想(3月30日に上方修正、6月30日に2回目の上方修正)は、売上高が20年8月期比20.1%増の52億70百万円、営業利益が38.4%増の12億40百万円、経常利益が47.6%増の12億31百万円、当期純利益が30.4%増の9億円としている。配当予想(3月30日に期末2円上方修正、8月20日に期末2円上方修正)は、20年8月期比7円増配の24円(第2四半期末10円、期末14円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比13.6%増の36億15百万円、営業利益が23.4%増の7億76百万円、経常利益が28.7%増の7億72百万円、四半期純利益が12.7%増の5億56百万円だった。大幅増収増益だった。半導体分野の好調が牽引し、利益面では材料費や外注費の少ない受注が増加したことも寄与した。

 半導体分野は受注高が32.1%増で売上高が27.1%増、FPD分野は受注高が4.7%増で売上高が42.9%減、その他分野は受注高が972.4%増で売上高が800.1%増だった。その他分野では太陽電池製造装置向けが貢献した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が11億円で営業利益が2億円、第2四半期は売上高が11億99百万円で営業利益が2億24百万円、第3四半期は売上高が13億16百万円で営業利益が3億52百万円だった。

 通期も大幅増収増益予想である。売上高の計画は半導体分野が30.2%増の41億69百万円、FPD分野が23.7%減の8億15百万円としている。半導体分野は市場環境改善に伴う既存顧客からの受注増加に加えて、新規顧客からの量産受注も増加している。FPD分野は10.5液晶が回復傾向であり、新規顧客からの受注も拡大している。

 利益面では、中計目標達成に向けて体制構築を推進するため労務費や減価償却費が増加するが、売上高が従来予想を上回ることに加えて、稼働率向上による製造原価率低減も寄与する見込みだ。通期予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。さらに受注残高が過去最高水準で推移しており、22年8月期も収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年8月末時点で6ヶ月以上保有株主対象

 株主優待制度は、毎年8月末日現在6ヶ月以上継続1単元(100株)以上保有株主を対象として、クオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 22年4月予定の新市場区分への移行については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果として、プライム市場の上場維持基準への適合を確認している。そして9月7日には、取締役会においてプライム市場を選択することを決議し、その旨を東京証券取引所に申請したと発表している。

 株価は8月の直近安値圏から切り返して戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。9月17日の終値は2224円、前期推定PER(会社予想EPS70円30銭で算出)は約32倍、前期推定配当利回り(会社予想24円で算出)は約1.1%、前々期実績PBR(前々期実績BPS445円69銭で算出)は約5.0倍、時価総額は約290億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

最新記事

カテゴリー別記事情報

     

    ピックアップ記事

    1. ■伽藍全域を自由に巡り、曼荼羅図を超拡大して鑑賞するデジタル文化財体験を実現リベラルアーツ研修やオ…
    2. ■開発効率化により、デジタルソリューションの確立を加速  日野自動車<7205>(東1)は1…
    3.  今週の当特集は、最下位市場のG市場も含めて本気度銘柄に加え、株価的に割安な銘柄にこそ「メークドラ…
    2021年12月
    « 11月    
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
    IRインタビュー 一覧

    テンポイノベーション・原康雄社長 アルコニックスの竹井正人社長 JPホールディングス・古川浩一郎社長に聞く Eストアーの石村賢一社長に聞く アイビーシーの加藤裕之社長に聞く ピクスタの古俣大介社長に聞く メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に聞く ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く 平山の平山善一社長に近況と展望を聞く アンジェス MGの山田 英社長に聞く CRI・ミドルウェアの押見正雄社長に聞く 京写の児嶋一登社長に聞く

    アーカイブ

    「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
    また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
    ページ上部へ戻る