【どう見るこの株】カオナビは底値圏、22年3月期黒字転換予想

どう見るこの株

 カオナビ<4435>(東マ)は、企業の人材情報を管理するクラウド型タレントマネジメントシステム「カオナビ」を展開している。22年3月期は大幅増収で黒字転換予想としている。収益拡大を期待したい。株価は一本調子に水準を切り下げる軟調展開で19年3月上場時の安値に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。出直りを期待したい。

■クラウド型タレントマネジメントシステム「カオナビ」を展開

企業の人材情報をクラウド上で管理し、データ活用のプラットフォームとなるタレントマネジメントシステム「カオナビ」を展開している。社員の顔写真で直感的に操作できることが特徴だ。タレントマネジメントシステムのリーディング企業で、市場シェアは17年度から4年連続1位(20年度は約3割)となっている。

 22年3月期第1四半期末の利用企業数は21年3月期末比61社増加の2122社となった。また月額課金型の収益モデルで、22年3月期第1四半期のストック収益比率は88.2%だった。

 中期成長のグランドデザインとして売上高100億円、売上総利益率80%、営業利益率30%を描いている。

■22年3月期は大幅増収で黒字転換予想

 22年3月期の業績予想(非連結、収益認識に関する企業会計基準第29号適用)は、売上高が21年3月期比33.4%増の45億40百万円、営業利益が1億円の黒字(21年3月期は11百万円の赤字)、経常利益が93百万円の黒字(16百万円の赤字)、当期純利益が26百万円の黒字(同1億31百万円の赤字)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比33.9%増の10億08百万円、営業利益が75.2%減の30百万円、経常利益が76.6%減の28百万円、四半期純利益が78.1%減の18百万円だった。人件費、マーケティング費、地代家賃など先行投資で費用が増加したため減益だが、売上面は利用企業数増加(前年同期比15.2%増の2122社)で、ストック収益が32.1%増収、フロー収益が49.6%増収と順調だった。

 通期も大幅増収(ストック収益が28.4%増収、フロー収益が70.4%増収の計画)を見込み、利益面は人件費やマーケティング費の増加を吸収して黒字転換予想としている。第1四半期の進捗率は売上高が22.2%、営業利益が29.8%と概ね順調だった。ストック収益の積み上げで収益拡大を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は一本調子に水準を切り下げる軟調展開で19年3月上場時の安値に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。出直りを期待したい。9月24日の終値は2564円、時価総額は約295億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る