【どう見るこの株】バルテスは下値固め完了、22年3月期大幅増収増益予想

どう見るこの株

 バルテス<4442>(東マ)はソフトウェアテストサービス事業を主力としている。22年3月期予想は採用増に伴う人件費増加などを吸収して大幅増収増益予想としている。中期的にもソフトウェアテストをアウトソーシングする流れが加速する見込みであり、良好な事業環境も背景として収益拡大を期待したい。株価は安値圏で軟調だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■ソフトウェアテストサービス事業が主力

 経営方針に「品質向上のトータルサポート企業」を掲げ、ソフトウェアテストサービス事業を主力として事業展開している。また連結子会社において、Web/モバイルアプリ開発サービス事業やオフショアサービス事業も展開している。

 ソフトウェアテスト専門会社として年間2100件以上のプロジェクト実績を誇っている。独自の研修カリキュラムによる高スキルエンジニアの早期育成・戦力化を強みとしている。

 中期経営目標として24年3月期売上高100億円を掲げている。Web/モバイルアプリ開発サービス事業では22年3月期中に、脆弱性診断×WAF(Web Application Firewall)でセキュリティ対策を徹底サポートする新サービスの開始を予定している。

■22年3月期大幅増収増益予想

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比22.5%増の64億51百万円、営業利益が34.8%増の4億64百万円、経常利益が34.9%増の4億68百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が23.7%増の3億05百万円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比22.7%増の14億48百万円、営業利益が23百万円の赤字(前年同期は53百万円の黒字)だった。過去最高となる56名の正社員エンジニア採用に伴う人件費増加などの先行投資、不採算案件の発生(Web/モバイルアプリ開発サービス事業で受注損失引当金計上)で営業赤字だったが、売上面は主力のソフトウェアテストサービス事業の好調が牽引した。

 通期は大幅増収増益予想としている。成長戦略に必要な優秀な人材確保で人件費などが増加するが、需要が高水準に推移して増収効果で吸収する見込みだ。さらに中期的にもソフトウェアテストをアウトソーシングする流れが加速する見込みであり、良好な事業環境も背景として収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 なお成長に向けた資金調達について、第3回新株予約権を21年8月31日付で取得・消却し、当座貸越変更契約による借入枠拡大に変更した。

 株価は安値圏で軟調だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。9月27日の終値は1445円、時価総額は約103億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る