【特集】LNG関連株に再トライ、需要が高まり価格高騰が止まらない状況を想定

特集

■「河野ロス」の圏外ポジションのLNG関連株に再トライするチャンス

 これから日本を含む北半球は、冬の暖房需要シーズンを迎え、拡大する電力需要を石炭火力発電でカバーすると化石賞候補とされ兼ねず、LNG(液化天然ガス)需要は高まり価格高騰が止まらない状況が想定される。ここは株価的にも「つなぎ銘柄」として「河野ロス」の圏外ポジションのLNG関連株に再トライするチャンスだろう。

■投資優先度上位は業績上方修正組と低PER・PBR銘柄

 LNG関連株は、基本的に昨年7月13日付けの当特集で取り上げた銘柄と変わらない。ただ個々の銘柄によってその投資優先度が異なってくることになる。優先度の高い銘柄は、業績を上方修正した銘柄や低PER・PBR株である。上方修正組は、コード番号順に上げると、産ガス株のINPEX<1605>(東1)、K&Oエナジーグループ<1663>(東1)、LNG船建造の川崎重工業<7012>(東1)、サハリンLNGプロジェクトの三井物産<8031>(東1)となる。株価水準自体も低PER・PBR、高配当利回りの銘柄が多数でバリュー株妙味満載である。

 優先度第2位の低PER・PBRのLNG関連株を同じくコード番号順に上げると、LNG工事の明星工業<1976>(東1)、断熱材のニチアス<5393>(東1)、タンクのトーヨーカネツ<6369>(東1)、計測機器の西川計測<7500>(JQS)、ブルネイLNGプロジェクトの三菱商事<8058>(東1)となる。

 悩ましいのが海運大手3社の日本郵船<9101>(東1)、商船三井<9104>(東1)、川崎汽船<9107>(東1)である。今3月期業績は、3社とも今年8月の今期第1四半期決算発表までにすでに2回も上方修正しており、申し分ないものの、何せ株価が、9月末につけた上場来高値から揃って大きく値崩れしているからだ。ただ3社ともLNG運搬船の船隊整備やLNG燃料船の積極建造を進めており、株価の落ち着き具合を待って買い対応する手もありそうだ。

■悩ましい業績下方修正の4銘柄にもリカバリー材料が待機

 もっと悩ましいのは、業績を下方修正したLNG関連株である。具体的には産ガス株の石油資源開発<1662>(東1)、LNGプラント株の日揮ホールディングス<1963>(東1)、千代田化工建設<6366>(東2)、LNGポンプの日機装<6376>(東1)の4銘柄である。石油資源開発は、カナダのオイルサンド・プロジェクト子会社の株式売却損で純利益を下方修正し赤字幅が拡大したが、売り上げ、営業利益、経常利益は上方修正しており、別評価が有力となる。

 日揮HD、千代田化工はLNGプロジェクト関連の特別損失で今期純利益が赤字転落したが、もともとLNGプラント株は、「農耕民族」ではなく「狩猟民族」といわれプロジェクト案件の受注動向次第で業績が急悪化も急好転もするビジネスモデルであり、実際にLNGプラント工事の受注も続いているだけに、安値買いも一考余地がある。日機装は、新型コロナウイルスを不活性化する深紫外線LEDの展開や開発に時間と費用が掛かり業績を下方修正したが、今3月期第1四半期の受注は、LNG船向けのLNG燃料供給システムの寄与などで前年同期比22%増と好調であり、売られ過ぎの訂正高も期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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