トーセは22年8月期大幅増益予想

(決算速報)
トーセ<4728>(東1)は10月13日の取引時間終了後に21年8月期連結業績を発表した。スマートフォン向けゲーム開発案件の完了時期ズレ込みや開発改修対応費用の増加などで減益だったが、利益は従来予想を上回って着地した。22年8月期は一時費用の一巡も寄与して大幅増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げて安値圏の小幅レンジでモミ合う展開だが、22年8月期大幅増益予想を好感して出直りを期待したい。

■21年8月期減益だが計画超で着地、22年8月期は大幅増益予想

21年8月期連結業績は売上高が20年8月期比5.8%増の59億60百万円、営業利益が27.1%減の2億66百万円、経常利益が26.5%減の2億84百万円、親会社株主帰属当期純利益が34.8%減の1億48百万円だった。減益だが、原価・販管費の抑制で各利益とも従来予想を上回って着地した。配当は20年8月期と同額の25円(第2四半期末12円50銭、期末12円50銭)としている。

デジタルエンタテインメント事業は売上高が10.6%増の54億78百万円で営業利益が28.8%減の2億23百万円だった。家庭用ゲームソフト大型案件の開発完了などで増収だが、スマートフォン向けゲーム開発案件の完了時期が次期にズレ込み、開発改修対応への費用増加などで減益だった。その他事業は売上高が29.6%減の4億81百万円で営業利益が16.7%減の43百万円だった。家庭用カラオケ楽曲配信事業のロイヤリティ売上が伸長したが、SI事業の前年の大型案件の反動が影響した。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高7億74百万円で営業利益1億11百万円の赤字、第2四半期は売上高10億64百万円で営業利益26百万円の黒字、第3四半期は売上高23億61百万円で営業利益1億93百万円の黒字、第4四半期は売上高17億61百万円で営業利益1億58百万円だった。

22年8月期連結業績予想は売上高が21年8月期比4.7%増の62億42百万円、営業利益が80.3%増の4億80百万円、経常利益が71.7%増の4億88百万円、親会社株主帰属当期純利益が93.0%増の2億86百万円としている。配当予想は21年8月期と同額の25円(第2四半期末12円50銭、期末12円50銭)としている。

売上面は開発案件の増加などで堅調に推移し、利益面は前期に発生した開発改修対応費用や新型コロナ感染予防対策費用などが一巡し、さらに開発体制の充実・強化なども寄与して大幅増益予想としている。収益拡大を期待したい。

■株価は出直り期待

株価は上値を切り下げて安値圏の小幅レンジでモミ合う展開だが、22年8月期大幅増益予想を好感して出直りを期待したい。10月13日の終値は784円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円74銭で算出)は約21倍、時価総額は約61億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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