【株式市場特集】東証1部銘柄にもかかわらず敢えてS市場上場を選択した割安株などをマーク

 今週の当特集は、最下位市場のG市場も含めて本気度銘柄に加え、株価的に割安な銘柄にこそ「メークドラマ」の可能性が期待でき、アタック余地が生じるとして注目することとした。このほか東証1部銘柄にもかかわらず敢えてS市場上場を選択した割安株なども、マークは怠れない。

■まず増配などを同時発表の本気度銘柄とPER10倍未満株をマーク

 まず上場基準への不適合とともに基準充足に向けた本気度を窺わせるカタリスト(株価材料)を同時発表した銘柄を発表順の時系列で上げると以下の通りとなる。業績上方修正のステップ<9795>(東1)、増配のインテリジェント ウェイブ<4847>(東1)、ヒマラヤ<7514>(東1)、中期経営計画のGSIクレオス<8101>(東1)、クロス・マーケティンググループ<3675>(東1)、新株式発行のタカショー<7590>(東1)で、不適合開示のあと時間を置いて自己株式取得を発表したのがCKサンエツ<5757>(東1)、同じくS市場不適合のあと増配を発表したのがムラキ<7477>(JQS)となっている。

 次に注目となるのは、今後の適合計画書推進のうえで感応度が高いとみられる割安水準に放置された不適合銘柄である。PERが10倍以下の銘柄に絞ってこれも時系列で上げるとフコク<5185>(東1)、ケーユーホールディングス<9856>(東1)、佐藤商事<8065>(東1)、アレンザホールディングス<3546>(東1)、日本エアーテック<6291>(東1)、三栄建築設計<3228>(東1)、イチネン<9619>(東1)、OATアグリオ<4979>(東1)、三光合成<7888>(東1)、AVANTIA<8904>(東1)、明治電機工業<3388>(東1)などと続く。

■敢えてS市場選択の東証1部株とS・G市場不適合の割安株も浮上

 また日本オラクル<4716>(東1)のように、東証1部銘柄でもS市場上場と敢えて格下げを選択したが、にもかかわらず逆に株価が1万円台乗せと上昇したケースもあった。親会社の保有株売却などが難しいとみて好意的に評価した結果とみられる。同様のケースでやはりS市場上場を選択したダイコー通産<7673>(東1)、日東富士製粉<2003>(東1)は、その後年初来高値を更新しており、南陽<7417>(東1)は、S市場選択と業績の上方修正を、PLANT<7646>(東1)は、S市場選択と連続増配、中期計画をそれぞれ同時発表した。4銘柄は、いずれもPER評価が10倍を下回っており、これまでS市場を選択した東証1部20銘柄のうちで独自の存在感を発揮しよう。

 さらに新興市場株でS市場不適合となって適合計画書を作成・提出意向のタウンニュース社<2481>(JQS)、協立情報通信<3670>(JQS)、最下位のG市場不適合となったギリギリの博展<2173>(JQG)の3銘柄は、PERが10倍を割っており、「メークドラマ」を超えて「メークミラクル」の可能性もありそうだ。

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