ミロク情報サービスは22年3月期2Q累計営業・経常減益だが上振れ、通期利益予想も上振れの可能性
- 2021/10/31 09:10
- 決算発表記事情報
(決算速報)
ミロク情報サービス<9928>(東1)は10月29日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。償却費や人件費の増加などで営業・経常減益だが、主力製品・サービスの好調で従来予想を上回り小幅営業・経常減益で着地した。通期の2桁営業・経常減益予想を据え置いたが、ストック型のクラウドサービスの伸長などで通期利益予想も上振れの可能性が高いだろう。株価は底打ちして下値を徐々に切り上げている。出直りを期待したい。
■22年3月期2Q累計営業・経常減益だが上振れ、通期利益上振れの可能性
22年3月期第2四半期累計の連結業績(収益認識基準適用、増減率は適用前前期実績との比較)は、売上高が前年同期比7.6%増の177億81百万円、営業利益が5.1%減の23億62百万円、経常利益が5.2%減の23億73百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.2倍の30億27百万円だった。なお特別利益にpring社株式譲渡に伴う関係会社株式売却益20億87百万円を計上した。
従来予想比では、複数の子会社の事業がコロナ禍による需要減退の影響を受けたため売上高が従来予想を4億18百万円下回ったが、主力ERP製品の販売やサービス収入が好調に推移して営業利益は5億32百万円、経常利益は6億03百万円、親会社株主帰属四半期純利益は5億87百万円、それぞれ従来予想を上回った。
前期比では、主力ERP製品の販売やサービス収入が好調に推移して増収だが、新製品リリースに伴う製品償却費の負担増や人件費の増加など先行投資の影響で営業・経常減益だった。ただし従来予想を上回り小幅営業・経常減益で着地した。
なお収益認識基準適用による影響額は、売上高が1億48百万円減少、売上原価が1億52百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益が3百万円減少だった。影響は軽微である。
システム導入契約売上高は前年同期比3.2%増の99億30百万円(ハードウェアが10.0%減の16億48百万円、ソフトウェアが5.1%増の59億82百万円、ユースウェアが9.6%増の22億99百万円)だった。
サービス収入は6.6%増の63億24百万円(会計事務所向けTVSが2.2%増の12億55百万円、ソフト使用料収入が16.5%増の12億60百万円、企業向けソフトウェア運用サービスが6.7%増の27億61百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービスが3.7%増の7億52百万円、サプライ・オフィス用品が4.6%減の2億94百万円)だった。ソフト使用料収入が顧問先企業向けの低価格なソフト使用料の伸長やサブスクリプションモデルの採用などで大幅伸長した。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高が87億47百万円で営業利益が9億39百万円、第2四半期は売上高が90億34百万円で営業利益が14億23百万円だった。
通期連結業績予想(特別利益計上に伴って7月13日に親会社株主帰属当期純利益を14億30百万円上方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比9.8%増の374億円、営業利益が11.0%減の40億30百万円、経常利益が11.3%減の40億円、親会社株主帰属当期純利益が43.5%増の38億10百万円としている。配当予想は21年3月期と同額の38円(期末一括)である。
新型コロナ影響の継続、ソフトウェア提供形態のシフト、先行投資による販管費の増加などで2桁営業・経常減益予想としている。ただし保守的だろう。第2四半期累計の進捗率は売上高が47.5%、営業利益が58.6%、経常利益が59.3%と順調だった。ストック型のクラウドサービスの伸長などで通期利益予想も上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。
■株価は底打ち
株価は底打ちして下値を徐々に切り上げている。出直りを期待したい。10月29日の終値は1793円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS125円65銭で算出)は約14倍、時価総額は約624億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)