ファンデリーは22年3月期2Q累計黒字転換、通期黒字予想据え置き

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東マ)は10月29日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計業績(非連結)を発表した。売上高はコロナ禍で計画を下回ったが全体として増収となり、各利益は広告宣伝費抑制なども寄与して計画を上回り、従来の赤字予想から一転して黒字転換着地した。そして通期黒字予想を据え置いた。下期は緊急事態宣言解除で新規顧客獲得が進展するため売上増加ペースが加速する見込みだ。事業環境の好転や積極的な販売促進策で収益回復基調を期待したい。株価は上場来安値を更新する場面があったがほぼ底値圏だろう。出直りを期待したい。

■22年3月期2Q累計黒字転換で着地、通期黒字予想据え置き

 22年3月期第2四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.7%増の15億98百万円で、営業利益が18百万円(前年同期は21百万円の赤字)、経常利益が4百万円(同24百万円の赤字)、四半期純利益が1百万円(同39百万円の赤字)だった。

 売上高はコロナ禍の影響で従来予想を2億86百万円下回ったが、CID事業の伸長で全体として増収となり、利益面はMFD事業の広告宣伝費抑制なども寄与して、営業利益は57百万円、経常利益は47百万円、四半期純利益は33百万円、それぞれ従来予想を上回り、従来の赤字予想から一転して黒字転換着地した。

 MFD事業は売上高が8.2%減の12億43百万円で、営業利益が14.6%減の2億61百万円だった。コロナ禍に伴う入院・外来患者減少や営業制限などで、病院等の紹介ネットワーク経由の新規顧客数が想定を下回った。新規顧客数は第1四半期が2744人、第2四半期が2437人だった。

 CID事業は売上高が1億69百万円(前年同期は4百万円)で、営業利益が2億02百万円の赤字(同2億67百万円の赤字)だった。積極的なプロモーション効果で認知度が向上し、新規顧客獲得および販売数拡大が想定を上回り大幅伸長した。新規顧客数は21年3月期第3四半期956人、第4四半期1193人に対して、22年3月期第1四半期が5820人、第2四半期が1万2264人と急増している。利益面は依然として損益分岐点に達していないため赤字継続だが、前年同期に比べて赤字幅が縮小した。

 マーケティング事業は、紹介ネットワークを活用した複数の受託案件などで、売上高が20.7%増の1億85百万円、営業利益が20.2%増の1億29百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億88百万円で営業利益が13百万円の赤字、第2四半期は売上高が8億10百万円で営業利益が31百万円の黒字だった。

 通期の業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が21年3月期比26.5%増の38億74百万円で、営業利益が1億円の黒字(21年3月期は5億53百万円の赤字)、経常利益が92百万円の黒字(同5億59百万円の赤字)、当期純利益が68百万円の黒字(同3億74百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の3円(期末一括)である。

 セグメント別の計画は、MFD事業の売上高が30億63百万円で営業利益が6億48百万円、CID事業の売上高が2億61百万円で営業利益が6億円の赤字、マーケティング事業の売上高が5億50百万円で営業利益が4億12百万円としている。

 通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、下期は緊急事態宣言解除で新規顧客獲得が進展するため売上増加ペースが加速する見込みだ。マーケティング事業では下期に大型案件を見込んでいる。事業環境の好転や積極的な販売促進策で収益回復基調を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は上場来安値を更新する場面があったがほぼ底値圏だろう。出直りを期待したい。10月29日の終値は497円、今期予想PER(会社予想のEPS10円83銭で算出)は約46倍、時価総額は約32億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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