ゼリア新薬工業は22年3月期2Q累計・通期の利益予想を上方修正

(決算速報)
 ゼリア新薬工業<4559>(東1)は11月1日の取引時間中に、22年3月期第2四半期累計および通期の利益予想の上方修正を発表した。欧州の医療用医薬品事業が好調に推移している。第2四半期累計は為替差益も寄与して、従来予想に比べて増益幅が拡大する見込みだ。なお通期予想には為替差益を見込んでいないため、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は上方修正を好感して急反発している。戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期利益予想を上方修正、通期は再上振れの可能性

 修正後の22年3月期第2四半期累計連結業績予想(第1四半期から収益認識基準適用)は売上高が286億円、営業利益が26億50百万円、経常利益が31億円、親会社株主帰属四半期純利益が21億円とした。従来予想に対して、売上高を4億円下方修正したが、営業利益を5億50百万円、経常利益を9億円、親会社株主帰属四半期純利益を6億円それぞれ上方修正した。

 コンシューマーヘルスケア事業の苦戦で売上高は従来予想を若干下回ったが、20年11月に製造販売権を承継したディフィクリアをはじめとして、欧州の医療用医薬品事業が想定以上に好調に推移している。営業外収益での為替差益計上も寄与して、従来予想に比べて増益幅が拡大する見込みだ。

 なお収益認識基準を遡及適用した前年実績との比較で増減率を算出すると、売上高は12.1%増収、営業利益は65.8%増益、経常利益は2.4倍増益、親会社株主帰属四半期純利益は51.3%増益となる。

 修正後の通期連結業績予想は売上高が600億円、営業利益が53億円、経常利益が52億円、親会社株主帰属当期純利益が37億円としている。従来予想に対して売上高を据え置いたが、営業利益を5億円、経常利益を4億円、親会社株主帰属当期純利益を4億円それぞれ上方修正した。

 なお収益認識基準を遡及適用した前年実績との比較で増減率を算出すると、売上高は13.7%増収、営業利益は52.5%増益、経常利益は62.1%増益、親会社株主帰属当期純利益は17.7%増益となる。

 海外の医療用医薬品事業が下期も好調に推移する見込みだ。経常利益は上期の9億円の上方修正に対して、通期は4億円の上方修正にとどまっている。下期を下方修正した形になるが、為替相場の先行きが不透明な状況のため通期ベースでは為替差損益の発生を見込んでいない。このため再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上方修正を好感して急反発

 株価は上方修正を好感して急反発している。戻りを試す展開を期待したい。11月1日の終値は2100円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS81円80銭で算出)は約26倍、時価総額は約1116億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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