【話題株】トヨタの「元本保証新型株」募集開始になり野村HD高値更新

トヨタ自動車 7203

■人気5倍程度の様子で預金取り崩す向きもあり手数料収入225億円とも

野村ホールディングス<8604>(東1)は14時を過ぎて880.0円(32.2円高)まで上げて年初来の高値更新幅を拡大し、売買も活発となっている。トヨタ自動車<7203>(東1)が7月下旬に発行する実質元本保証の新型種類株式「第1回AA型種類株式」の発行価格が昨2日の取引終了後、1株1万598円に決定(昨日のトヨタ終値に対し仮条件の上限いっぱいの30%増し)。発売窓口は野村證券のみで、後場、引き受け手数料が1株につき476円91銭になり合計で約225億円の手数料収入になると一部で伝えられ、一段と強含んだ。トヨタ自動車も8219円(66円高)まで上げて反発となっている。

「第1回AA型種類株式」は非上場で5年間は原則として換金できないが、議決権があり配当利回りは年平均1.5%(初年度の0.5%から毎年向上して最終年度は2.5%)、5年を過ぎると発行価格で買い取る、などの条項が定められており、どちらかといえば元本保証の5年満期の社債に似た貯蓄性がある。発行株数は4710万株で、募集期間は3日から22日まで。払い込み日は7月24日。

銀行の定期預金は5年もので高めのものでも0.5%程度。国債は10年ものでも表面利率が0.4%前後。このためか、3日は窓口に問い合わせが相次いでいるようで、「資産を3分割して最も安全に保守的に運用していた銀行預金を一部取り崩してトヨタの新型株を買う」(数年前に定年退職した元証券マン)と、古巣とは異なるライバル証券会社に向かう投資家もあった。

買い予約の引き合いは強いようで、「500株欲しいと言ったらせいぜい100株しかお分けできないと言われた」(中年男性)ケースもあった。発行元のトヨタ自動車が個人投資家の長期安定株主を確保することを目的にしているため、できるだけ多くの投資家に分売したい事情があるようだ。

応募者の中には、「無借金のトヨタのほうが国債よりも安全かもしれないね」と話して問い合わせる様子もある。

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