【編集長の視点】バリューコマースは連続の最高純益更新を見直し割り負け修正買いが再燃し反発

編集長の視点

バリューコマース<2491>(東1)は、5円安で寄り付いたあと、10円高の653円と切り返し3日ぶりに反発、きょう10日に日経平均株価が、前日の欧米株安を受けて256円安と急続落してスタートしたなかで逆行高を鮮明化している。10月28日につけた年初来安値621円に並ぶ安値水準は、今12月期純利益の連続過去最高更新や、スマートフォン向けの広告配信サービス「ADPRESSO」の提供開始などを見直し下げ過ぎとして一段の底上げを期待する買い物が再燃している。

■ショッピング・旅行分野向けの成功報酬広告が堅調に推移

同社の今12月期業績は、売り上げ138億円(前期比14.9%増)、経常利益18億1000万円(同18.9%増)、純利益11億6000万円(同20.3%増)と予想され、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。成功報酬型広告を展開するアフリエイトマーケティングサービス事業では、主にショッピングや旅行分野向けが堅調に推移、ストアマッチサービス事業でも、前期から取り組んでいる「Yahoo!ショッピング」向けのサービスが拡充することなどが寄与する。今年10月24日に公表した今期第3四半期(3Q)業績も、純利益は、本社移転関連の特別損失を計上して減益転換したが、3カ月間の売り上げは、34億2400万円(前年同期比6.1%増)と伸び、四半期ベースで過去最高を更新した。

一方、「ADPRESSO」は、スマートフォン広告市場が、2013年の1652億円(前年比93%増)から2014年に2304億円、2015年に2758億円、2016年に3058億円と拡大し、そのなかでの成功報酬型広告が、年平均成長率が16.36%と高成長すると予測されていることに対応し、成長戦略としてスマートフォンに特化した広告ネットワークとして提供を開始したもので、広告主は、初期費用と月額費用が無料であり、低リスクで効率的な広告出稿が可能となる。既存広告主には従来のPC向け広告をスマートフォン領域に拡大するようにアプローチするとともに、新規顧客の開拓も進める。

■値幅・日柄調整は十分で25日線水準から一段の戻りにトライ

株価は、今期第1四半期の好決算をテコに1080円高値をつけ、第2四半期累計業績が、期初予想を上ぶれ連続増益率を伸ばして着地したことで939円と買われたが、3Q純利益が減益転換したことを嫌い年初来安値まで下げ、25日移動平均線水準で下値を確認する動きを続けている。年初来高値1576円から6割の値幅調整、11カ月の日柄調整と調整は十分で、PERは、18倍台とスマホ関連株では相対的に割り負けており、一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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