【シルバービジネス・高齢化社会関連特集】フランスベッドHD 超低床フロアーベッドが大好評で、またもや品薄状態
- 2014/12/10 11:15
- 特集
■10月より、TVコマーシャルの放映を開始し、全国で一斉販売、出足好調
フランスベッドHD<7840>(東1)は、昨年6月より病院および介護施設の認知症患者をターゲットに、今までに無い新しい発想の電動ベッド「超低床フロアーベッド」を投入した。すると、現場では大好評であったことから、品薄状態となったため、量産体制を整えたうえで、10月よりTVコマーシャルの放映を開始した。ところが、あまりの人気で、12月現在でまたも品薄状態となっている。
同社は、メディカルサービス事業(介護・福祉関連用具のレンタル・販売、介護予防の通所介護施設「悠々いきいき倶楽部」運営など)、インテリア健康事業(家庭用高級ベッド、リビング・ダイニングや寝装品、健康機など)、その他(日用品雑貨販売など)の3事業を展開している。
リーマンショックにより、一時業績が落ち込んだのを機に、2009年以降、成長分野のシニア・シルバービジネスに経営資源をシフトした結果、医療・介護用電動リクライニングベッド・マットレスや、高齢者向け「リハテック」ブランドの電動アシスト三輪自転車やハンドル型電動三輪車いす、座いす型リフトアップチェア、さらに在宅・病院・福祉施設向け「見守りケアシステム」など、独自の新商品・新サービス投入を強化して介護・福祉用具レンタル市場でのシェア拡大戦略を展開。さらに、新規販売チャネル開拓で病院・施設向け取引も強化している。
新ブランド「リハテック」シリーズには、足元を照らす光る杖「ライトケイン」、買い物に便利なリハテックウォーカー「ラクティブ」、電動アシスト三輪自転車、ハンドル型電動車いす等があり、シルバー世代でありながらもアクティブな毎日を楽しめるアイテムを開発している。
また、最初に触れた、超低床フロアーベッドは、病院や介護施設で認知症の患者が、ベッドから落ちて怪我をする例があることから、そのような事故を防ぐために開発された今までに無い新しい発想で生まれた商品。
認知症患者は、現在、全国に約439万いるが、年々その数は増加している。また、最近のニュースでも取り上げられているように、毎年、全国で約1万人が徘徊などによって行方不明になっているが、その主な原因は、認知症といわれている。介護の現場でも認知症患者が多くなり、ベッドからの転落事故防止の問題解決は焦眉の急となっている。
このような背景のもと、昨年6月に同社が、万一の転落時の衝撃を緩和する超低床フロアーベッドを開発したことから、介護の現場では、なくてはならないものとして需要が高まっている。このベッドは、ボトム面の高さを、最高61cmから最低11cmまで動かすことが可能で、介護が必要な時は高くして介護の負担を軽減させることはもちろん、就寝時などには超低床の11cmまで下げることで、万一の転落の際の事故のリスクを軽減させることが可能。
同社では、病院、高齢者施設、在宅向けと3つのターゲットに絞り販売を開始する予定。病院・高齢者施設向けは販売がメインとなる。在宅向けにはJIS規格が必要であるが、すでに取得済みで介護保険を利用したレンタルも可能。10月からは、より幅広い方にご利用いただけるように、ヘッドボードに本木目調のデザインを採用し、インテリア性を高めた「FL-1402」も発売し、同社のインテリア事業の販路も活用し販売している。
ところが、現場の需要は予想以上に旺盛だったことから、大量生産体制を取っているにもかかわらず、12月現在では品薄状態となっている。
今期15年3月期連結業績予想は、売上高536億円(前期比2.3%減)、営業利益22億円(同21.4%減)、経常利益22億円(同20.9%減)、純利益10億円(同28.4%減)を見込んでいる。
画期的な新商品が、人気化していることから、株価の反発も期待できる。