協立情報通信は下値固め完了、DX・5G関連で収益拡大期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 協立情報通信<3670>(JQ)は、ソリューション事業とモバイル事業を展開し、中期成長に向けてサービスの高度化・多様化を推進している。22年3月期(決算期変更に伴う経過期間で13ヶ月決算)はコロナ禍の影響が和らぎ、緩やかに需要回復して上振れの可能性がありそうだ。DX関連や5G関連の本格化も背景として収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の中でも10月の年初来安値を割り込むことなく下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■ソリューション事業とモバイル事業を展開

 中堅・中小企業のICT(情報通信技術)化実現に向けたソリューション事業、およびドコモショップ運営のモバイル事業を展開している。21年2月期のセグメント別売上高構成比はソリューション事業41%、モバイル事業59%、営業利益構成比(調整前)はソリューション事業59%、モバイル事業41%だった。

 ソリューション事業は、NEC<6701>、NTTドコモ<9437>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、日本マイクロソフト、サイボウズ<4776>の主要パートナー企業5社の製品・サービスを融合し、情報インフラ、情報コンテンツ、情報活用の3分野を総合したワンストップソリューションの「経営情報ソリューションサービス」を提供している。

 体感型フューチャーラボの協立情報コミュニティーにおいて、製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。11月19日には協立情報コミュニティーにおいてOBC奉行ソリューションフェアの開催を予定している。

 モバイル事業はNTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売(店舗事業)および法人向けモバイルソリューション(法人サービス事業)を展開している。

■サービスの高度化・多様化を推進

 中期成長に向けた基本戦略として、協立情報コミュニティーの活性化、パートナー企業との共同展開の積極化、物販からソリューションへのシフトなど、サービスの高度化・多様化を推進している。

 なお20年10月には多摩大学と、地域社会への貢献を目的とした包括連携に関する協定を締結している。

■22年3月期(13ヶ月決算)は上振れの可能性

 22年3月期(決算期変更に伴う経過期間で13ヶ月決算のため前期比増減率は非記載)連結業績予想は、売上高が50億円、営業利益が2億円、経常利益が2億10百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億40百万円としている。配当予想は21年2月期と同額の55円(期末一括)である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比13.8%増の24億18百万円、営業利益が6.0%減の82百万円、経常利益が18.3%減の84百万円、親会社株主帰属四半期純利益が0.4%増の54百万円だった。モバイル事業において派遣費用など販管費が増加したため小幅営業減益だったが、コロナ禍の影響が和らいで売上高は回復基調となった。

 ソリューション事業は売上高が9.9%増の10億05百万円となり、営業利益が28.3%増の2億43百万円だった。第2四半期に新型コロナウイルス感染症再拡大の影響で大型案件に先送りの動きが見られたが、累計ベースではDX関連の各種ソリューションや機器導入などで順調だった。なお受注高は第1四半期が99.2%増の3億09百万円、第2四半期が8.1%増の2億19百万円だった。

 モバイル事業は店舗事業において来客数が増加し、売上高が16.7%増の14億13百万円だが、派遣費用など販管費が増加したため営業利益が49.2%減の76百万円だった。法人サービス事業はテレワーク需要が一巡した。なお販売台数(店舗事業と法人事業の合計)は、第1四半期が50.3%増の9081台、第2四半期が11.7%増の6971台だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高13億72百万円で営業利益1億03百万円、第2四半期は売上高10億46百万円で営業利益21百万円の赤字だった。

 通期予想は据え置いている。コロナ禍の影響が継続すると想定するが、DX関連や5G関連の本格化も背景として法人向け販売を強化して増収増益予想としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.4%、営業利益が41.0%、経常利益が40.0%、親会社株主帰属当期純利益が38.6%とやや低水準の形だが、緊急事態宣言解除でコロナ禍の影響が和らぎ、ソリューション事業や法人サービスが牽引して上振れの可能性がありそうだ。DX関連や5G関連の本格化も背景として収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年2月末の株主対象

 利益還元については、配当性向30~40%程度を目途に、業績に連動させて適正な配当を行うとともに、万一業績が悪化したとしても一定の水準を維持していきたいとしている。

 株主優待制度は毎年2月末の株主を対象として、保有株式数に応じて島根県の特産品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は下値固め完了

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果として、流通株式時価総額がスタンダード市場不適合の通知を受けた。この結果を踏まえて、21年10月13日開催の取締役会においてスタンダード市場選択申請を決議した。スタンダード市場上場維持基準の充足に向けた具体的な取り組みについては、21年12月までに「上場維持基準の適合に向けた計画書」を東京証券取引所に提出・開示予定としている。

 株価は地合い悪化の中でも10月の年初来安値を割り込むことなく下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。12月3日の終値は1658円、今期予想連結PER(13ヶ月決算の会社予想連結EPS116円97銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の55円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1475円59銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約20億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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