【どう見るこの株】ファイバーゲートは反発の動き、22年6月期2桁増収増益予想

どう見るこの株

 ファイバーゲート<9450>(東1)は独立系のWi-Fiソリューション総合サービス企業である。22年6月期は2桁増収増益予想としている。第1四半期はビジネスユース事業がコロナ禍からの回復が遅れ、人件費増加なども影響して減益だったが、通期ベースで収益拡大を期待したい。なお12月6日に自己株式取得を発表している。株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新したが、売り一巡して反発の動きを強めている。自己株式取得も評価材料であり、出直りを期待したい。

■独立系のWi-Fiソリューション総合サービス企業

 独立系のWi-Fiソリューション総合サービス企業である。通信機器開発・製造から電気通信サービスまで一貫して手掛けている。顧客は集合住宅、観光自治体、商業施設などのオーナーで、インターネット接続利用者の金銭負担はない。

 21年6月期売上高構成比は、ホームユース事業(旧レジデンスWi-Fi事業=マンション・アパート向け全戸一括インターネット接続サービス)が83.2%、ビジネスユース事業(旧フリーWi-Fi事業=観光地・商業施設向けフリーWi-Fi事業、法人ネットワーク事業、Wi-Fiプロダクト事業)が15.9%、その他が0.9%だった。

■22年6月期2桁増収増益予想

 22年6月期の連結業績予想は、売上高が21年6月期比26.6%増の107億50百万円、営業利益が13.5%増の17億70百万円、経常利益が12.1%増の17億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が15.8%増の11億80百万円としている。需要が好調に推移して2桁増収増益予想としている。なお半導体不足や通信量増大に伴う使用回線増加などでコストが増加するため、一時的に利益率が低下することを想定している。

 セグメント別計画は、ホームユース事業の売上高が22.1%増の86億30百万円で営業利益(調整前)が21.3%増の22億70百万円、ビジネスユース事業の売上高が18.1%増の16億円で営業利益が38.1%増の6億10百万円としている。ホームユース事業は需要が好調に推移して増収増益基調である。ビジネスユース事業はコロナ禍の影響が和らぎ、新規需要先開拓も寄与して増収増益基調に回帰する見込みとしている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比6.1%増の22億58百万円だが、営業利益が29.2%減の2億88百万円、経常利益が30.5%減の2億79百万円、親会社株主帰属四半期純利益が33.5%減の1億82百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額として、売上高、営業利益、経常利益がそれぞれ54百万円増加した。

 主力のホームユース事業は12.7%増収と順調だったが、ビジネスユース事業がコロナ禍からの回復が遅れ37.9%減収と低調だった。売上構成差や人件費増加も影響して減益だった。

 通期の2桁増収増益予想は据え置いた。第1四半期の進捗率は売上高21.0%、営業利益16.3%、経常利益16.2%、親会社株主帰属当期純利益15.4%と低水準だが、第2四半期以降はビジネスユース事業においてもコロナ禍の影響が和らいで需要回復基調を想定している。通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新したが、売り一巡して反発の動きを強めている。自己株式取得も評価材料であり、出直りを期待したい。12月10日の終値は1147円、時価総額は約236億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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