巴工業は22年10月期減益予想だが保守的
- 2021/12/15 08:24
- 決算発表記事情報
(決算速報)
巴工業<6309>(東1)は12月14日の取引時間終了後に21年10月期の連結業績を発表した。化学工業製品販売事業の需要回復が牽引して大幅増収増益だった。22年10月期は売上構成差や経費増加などを考慮して減益予想としている。ただし保守的だろう。上振れを期待したい。株価は11月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。目先的には22年10月期減益予想が嫌気されそうだが下値限定的だろう。
■21年10月期大幅増収増益、22年10月期減益予想だが保守的
21年10月期の連結業績は、売上高が20年10月期比15.1%増の451億32百万円、営業利益が25.8%増の28億43百万円、経常利益が26.6%増の29億05百万円、親会社株主帰属当期純利益が37.6%増の21億08百万円だった。配当は2円増配の50円(第2四半期末25円、期末25円)とした。
概ね計画水準(21年9月10日に2回目の上方修正)で着地した。化学工業製品販売事業における需要回復が牽引して大幅増収増益だった。なお特別利益に投資有価証券売却益23百万円、関係会社清算益62百万円を計上した。
機械製造販売は売上高が6.7%増の123億22百万円、営業利益が4.3%減の8億86百万円だった。国内官需向け機械と装置・工事、海外向け機械などが伸長して増収だが、収益性の低下や販管費の増加などで減益だった。化学工業製品販売は売上高が18.6%増の328億09百万円、営業利益が46.7%増の19億57百万円だった。自動車分野を中心に需要が回復し、樹脂原料・製品、自動車・建材用途向け材料、紫外線硬化樹脂、塗料・インキ用途向け材料・添加剤など、全分野で販売が増加した。
なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が106億06百万円で営業利益が6億49百万円、第2四半期は売上高が124億42百万円で営業利益が12億85百万円、第3四半期は売上高が103億68百万円で営業利益が2億56百万円、第4四半期は売上高が117億16百万円で営業利益が6億53百万円だった。
22年10月期連結業績予想(収益認識基準適用のため売上高の増減率は非掲載)は、売上高が396億50百万円、営業利益が16.0%減の23億90百万円、経常利益が17.4%減の24億円、親会社株主帰属当期純利益が7.0%減の19億60百万円、配当予想は21年10月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。
第12回中期経営計画の最終年度にあたり、世界経済の緩やかな回復を想定し、計画達成に向けて海外ビジネス拡大を推進する。セグメント別の計画は、機械製造販売は売上高が128億円で、営業利益が収益性の良い部品修理販売の減少と販管費の増加で12.1%減の7億80百万円、化学工業製品販売は売上高が265億80百万円で、営業利益が営業開発関係の販管費の増加で17.7%減の16億10百万円としている。なお特別利益に社員寮売却益の計上を見込んでいる。
22年10月期は売上構成差や経費増加などを考慮して減益予想としている。ただし保守的だろう。上振れを期待したい。
■株価は戻り試す
株価は調整一巡して11月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。目先的には22年10月期減益予想が嫌気されそうだが下値限定的だろう。目先的な売り一巡後に戻りを試す展開を期待したい。12月14日の終値は2409円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS196円43銭で算出)は約12倍、時価総額は約254億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)