【注目銘柄】天龍製鋸は3期ぶり最高純益更新の業績上方修正見直しの動き
- 2021/12/19 08:14
- 注目銘柄
天龍製鋸<5945>(JQS)は、年初来高値3410円を意識する動きを強めている。同社株は、今年11月10日に今2022年3月期業績を上方修正しており、純利益が大幅続伸して3期ぶりに過去最高を更新すると見込まれていることを見直し割安株買いが再燃した。米国市場では、15日発表の12月のNAHB住宅市場指数が、10カ月ぶりの高水準となり、16日発表予定の11月の住宅着工件数・住宅建設許可件数ではプラス幅を拡大するとみられており、依然として住宅不足を背景に住宅市場の活況が続き関連株人気が高まることを期待して先取りする動きも交錯している。
■国内外で金属用・住宅資材用のチップソーが好調推移
同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げを10億円、営業利益を9億円、経常利益を10億5000万円、純利益を6億円それぞれ引き上げ、売り上げ130億円(前期比18.0%増)、営業利益25億円(同61.3%増)、経常利益27億5000万円(同56.9%増)、純利益18億円(同49.7%増)と続伸幅の拡大を見込み、純利益は、2019年3月期の過去最高(13億7000万円)を更新する。国内、米国、中国、アジア、欧州で金属用チップソーと住宅資材用チップソーの販売が好調に推移し、前期のコロナ禍による休業などが一巡する一方、受注拡大で工場操業度が大きく改善したことなどが要因となった。
なお実際に前日16日に米商務省が発表した11月の住宅着工件数は、前月比11.8%増の167.9万戸、住宅建設許可件数は、同3.6%増の172.2万戸といずれも市場予想を上回った。また同社の今期配当は、期初に未定としていたが、業績上方修正とともに連結配当性向を30%以上とする利益還元の基本方針に従って120円(前期実績80円)として実施を予定、連続増配となる。
■PER8倍、PBR0.5倍、配当利回り3.6%で年初来高値は通過点
株価は、年初来安値2650円から今期の2ケタ増収増益予想や木材価格が高騰する「ウッドショック」関連株人気も加わって2800円台にリバウンドし、今期業績の上方修正とともにストップ高して年初来高値3410円をつけ、3060円まで調整したあと再び年初来高値を窺っている。PERは8倍台、PBRは0.54倍、配当利回りは3.63%と割安であり、年初来高値を一通過点に2018年1月高値3860円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)