【どう見るこの株】イフジ産業は上値試す、22年3月期小幅増益予想だが上振れの可能性
- 2021/12/27 14:20
- どう見るこの株
イフジ産業<2924>(東1・福証)は鶏卵加工の大手で製菓・製パンメーカー向け液卵を主力としている。さらに中期成長に向けて独自技術をベースとする「タマゴテック事業」を推進している。22年3月期は販売価格上昇や販売数量増加で大幅増収・小幅増益予想としている。利益予想が保守的であり、第2四半期累計が計画を上回る大幅増収増益だったことを勘案すれば、通期予想も上振れの可能性が高いだろう。株価はボックス展開の形だが煮詰まり感を強めてきた。調整一巡して上値を試す展開を期待したい。
■鶏卵加工の大手
鶏卵加工の大手である。製菓・製パンメーカー向けの液卵を主力として、惣菜・弁当業界やスーパー・コンビニ向け卵加工品も展開している。なお製品販売・原料仕入価格は鶏卵相場に連動して変動する特性がある。
さらに中期成長に向けて、独自技術をベースとする「タマゴテック事業」で液卵と卵の可能性を様々な分野に応用することを目指し、鶏卵の新規用途や廃棄物の有効活用の開発を推進している。
■22年3月期小幅増益予想だが上振れの可能性
22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用だが損益への影響軽微)は、売上高が21年3月期比18.2%増の163億44百万円、営業利益が1.7%増の12億05百万円、経常利益が1.0%増の12億22百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.2%増の8億31百万円としている。販売価格上昇や販売数量増加で大幅増収・小幅増益予想としている。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比42.0%増の90億20百万円、営業利益が33.2%増の6億58百万円、経常利益が32.8%増の6億72百万円、親会社株主帰属四半期純利益が48.8%増の5億34百万円だった。鶏卵関連事業が牽引して計画を上回る大幅増収増益だった。親会社株主帰属四半期純利益については繰延税金資産の追加計上も寄与した。なお収益認識基準適用の影響額として売上高が52百万円減少している。
鶏卵関連事業は、鶏卵相場の大幅上昇(全農東京Mサイズ基準値45.9%上昇)に伴う販売単価の上昇と販売数量の増加(9.1%増)で、売上高が45.9%増の84億63百万円(液卵が49.3%増の79億77百万円、加工品が4.3%増の2億09百万円、その他が8.6%増の2億76百万円)となり、営業利益(全社費用等調整前)が生産効率向上なども寄与して32.7%増の6億14百万円だった。
調味料関連事業は売上高が4.7%増の5億88百万円で、営業利益が棚卸廃棄ロス低減や販管費提言も寄与して55.1%増の34百万円だった。その他(太陽光発電)は売上高が14百万円で営業利益が10百万円だった。
通期予想は鶏卵相場の動向が不透明として据え置いたが、第2四半期累計の進捗率は売上高が55.2%、営業利益が54.6%、経常利益が55.0%、親会社株主帰属当期純利益が63.3%と高水準である。利益予想が保守的であり、第2四半期累計が計画を上回る大幅増収増益だったことを勘案すれば、通期予想も上振れの可能性が高いだろう。
■株価は上値試す
22年4月4日移行予定の新市場区分に関しては、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でスタンダード市場適合を確認し、21年11月11日開催の取締役会においてスタンダード市場選択申請を決議している。
株価はボックス展開の形だが煮詰まり感を強めてきた。調整一巡して上値を試す展開を期待したい。12月24日の終値は945円、時価総額は約76億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)