【どう見るこの株】ブラスは上値試す、22年7月期はコロナ禍の影響和らいで大幅増収増益予想
- 2021/12/27 14:22
- どう見るこの株
ブラス<2424>(東1・名1)は完全貸切ゲストハウス型のウエディング事業を東海地方中心に展開している。22年7月期はコロナ禍の影響が和らいで大幅増収増益予想としている。第1四半期は黒字転換と順調だった。通期ベースでも収益回復基調だろう。なお新市場区分に関して、12月15日にプライム市場選択申請と、上場維持基準の適合に向けた計画書の作成・提出を発表している。株価は急反発して9月の年初来高値に接近している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■完全貸切ゲストハウス型のウエディング事業を展開
完全貸切型ゲストハウスで挙式・披露宴に関する企画・運営を行うウエディング事業を、東海地方中心に愛知・岐阜・三重・静岡・大阪・京都・千葉の各エリアに展開している。すべての店舗が「1チャペル、1パーティ会場、1キッチン」で、ホームパーティのような「完全プライベート空間」スタイルを特徴としている。
また、新規来店・打ち合わせから結婚式当日の対応まで1人のウエディングプランナーが担当する「ウエディングプランナー一貫制」を採用していることや、結婚式当日の料理をオープンキッチンスタイルで提供していることも特徴である。
21年7月期末時点の店舗数は直営結婚式場23店舗、衣装店4店舗、レストラン他5店舗である。1パーティ会場で結婚式場としては小型店舗のため、用地確保の難しい大都市から人口が比較的少ない郊外まで出店が可能となり、地域の規模・特性に合わせて事業展開している。
なお2021年オリコン顧客満足度調査「ハウスウエディング」において、4年連続で総合1位を獲得している。
■22年7月期大幅増収増益予想で1Q順調
22年7月期連結業績予想(期初時点では未定、21年12月15日に公表)は、売上高が21年7月期比22.2%増の114億20百万円、営業利益が2.1倍の7億円、経常利益が57.1%増の8億円、親会社株主帰属当期純利益が3.0倍の5億15百万円としている。配当予想は未定としている。
第1四半期(収益認識基準適用のため売上高の増減率は非記載)は、売上高が24億10百万円、営業利益が24百万円の黒字(前年同期は2億95百万円の赤字)、経常利益が79百万円の黒字(同2億23百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が42百万円の黒字(同1億65百万円の赤字)だった。収益認識基準適用の影響額として売上高が22百万円増加、売上原価が19百万円増加、営業利益、経常利益、税引前四半期純利益がそれぞれ3百万円増加した。
第1四半期の大半が緊急事態宣言下だったが、コロナ禍の影響が和らいで前年を上回る施行件数となり、大幅増収(前年同期比46.5%増収)で各利益とも黒字化した。施行件数は152件増加の626件、受注件数は68件増加の684件、平均単価は10.6%増加の369.3万円だった。
通期ベースでもコロナ禍の影響が和らいで大幅増収増益予想としている。通期の施行件数の計画は過去最高となる2960件(過去4期の実績は18年7月期2521件、19年7月期2643件、20年7月期1995件、21年7月期2573件)としている。平均単価は7.9%増の378.5万円の計画としている。
コロナ禍の影響が継続しているため収益改善と財務基盤安定化を最優先事項とするが、今後の成長に向けて、既存店への戦略投資による店舗平均売上高の増大、年間1~2店舗出店のための調査・検討の継続、付加価値の高いドレス事業や写真・映像商品の展開も推進する方針だ。第1四半期は大幅増収で黒字化と順調だった。通期ベースでも収益回復基調だろう。
■株価は上値試す
なお22年4月移行予定の新市場区分に関しては、上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果として、流通株式時価総額および1日平均売買代金が基準を充たしていなかったが、21年12月15日開催の取締役会においてプライム市場選択・申請を決議するとともに、上場維持基準の適合に向けた計画書の作成・提出を発表している。27年7月期までに上場維持基準を充たすために各種取り組みを推進する。
株価は急反発して9月の年初来高値に接近している。22年7月期大幅増収増益予想も好感した形だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。12月24日の終値は806円、時価総額は約46億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)