【どう見るこの株】アディッシュは底値圏、22年12月期も収益拡大基調

どう見るこの株

 アディッシュ<7093>(東マ)は、ソーシャルアプリサポートやインターネットモニタリングなどのカスタマーリレーション事業を展開している。21年12月期は主力事業が堅調に推移し、利益率改善も寄与して大幅増収増益予想としている。さらに22年12月期も需要が高水準に推移して収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上場来安値を更新したが、ほぼ底値圏だろう。売り一巡して出直りを期待したい。

■カスタマーリレーション事業を展開

 ソーシャルメディアやコミュニケーションサービスなどを介して、インターネット上で行われるコミュニケーションが、利用者にとって「健全で心地よいもの」となることを目的としたサービスとして、カスタマーリレーション事業を展開している。

 サービス区分はソーシャルアプリサポート、インターネットモニタリング、その他(スクールガーディアン、フロントサポート他)としている。ソーシャルアプリサポートは利用者からの問い合わせを顧客企業に代わって対応するカスタマーサポートサービス、インターネットモニタリングはインターネットサービスで生じるリスクを監視するサービス、スクールガーディアンはネットいじめや個人情報流出をモニタリングして生徒指導に活かすコンサルティングサービス、フロントサポートは企業のソーシャルメディア運用を代行するファンコミュニティ形成支援サービスである。

 新規サービスとして、チャットボットSaaSのhitobo、AIによる誹謗中傷再考アラートサービスのmatteなども展開している。さらに21年9月には、カスタマーサクセスを早期に立ち上げるための専門サービスのCSブートキャンプ、スタートアップ企業の成長を支援するカスタマーサクセス&サポート専門サイトのCS STUDIO、ネット炎上対策が自社で可能となるSNS炎上対策SaaSのPazuの提供を開始した。

■21年12月期大幅増収増益予想、22年12月期も収益拡大基調

 21年12月期連結業績予想(11月2日に利益を上方修正)は、売上高が20年12月期比10.2%増の30億円、営業利益が46百万円(20年12月期は7百万円)、経常利益が65百万円(同4百万円)、親会社株主帰属当期純利益が42百万円(同4百万円の赤字)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比8.1%増の22億10百万円、営業利益が72百万円(前年同期は5百万円)、経常利益が90百万円(同0百万円)、親会社株主帰属四半期純利益が58百万円(同4百万円の赤字)だった。売上高、経常利益は過去最高だった。

 通期ベースでも主力のソーシャルアプリサポート、インターネットモニタリング、スクールガーディアンが堅調に推移し、高利益率案件の受注や自動化・DX化推進などで利益率も改善する見込みだ。新規拠点への設備投資や従業員賞与の支給など第4四半期の一時的費用の発生に備えているが、第3四半期累計の営業利益、経常利益は修正後の通期予想を超過達成している。さらに22年12月期も需要が高水準に推移して収益拡大基調だろう。

■株価は底値圏

 株価は地合い悪化も影響して上場来安値を更新したが、ほぼ底値圏だろう。売り一巡して出直りを期待したい。12月27日の終値は1159円、時価総額は約21億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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