【注目銘柄】KHネオケムは千葉工場増強を追撃材料に3回の業績上方修正を見直し続伸

注目銘柄

 KHネオケム<4189>(東1)は、前日4日大発会で60円高の3240円と続伸して引け、取引時間中には3280円まで買われ昨年11月5日につけた昨年来高値3540円を意識する動きを強めた。同社株は、昨年12月27日に千葉工場(千葉県市原市)の生産能力の増強を発表しており、期中に3回上方修正された目下集計中の2021年12月期業績に続き、2022年12月期業績への期待を高めて割安修正買いが増勢となった。前2021年12月期業績の上方修正要因となった国産ナフサ価格が、なお上昇していることも買い材料視されている。

■エアコン向け冷凍機油原料の販売量が増加し販売価格も上昇

 千葉工場の生産能力増強は、新興国でのエアコン市場の拡大やオゾン層の保護、地球温暖化抑制に向け環境配慮型の冷媒需要が拡大しているのに対応し、同社の機能性材料の主力製品の冷凍機油原料の供給力を拡大するため計画しているもので、設備投資額は約95億円を予定し、今年6月に着工し、2024年7月に完工、2024年8月に生産を開始する。米環境保護局が、家庭用エアコンの環境規制を強化することにも備える。

 一方、目下集計中の2021年12月期業績は、この機能性材料などの需要拡大に加え国産ナフサ価格の上昇に合わせて販売価格を改定したことなどから四半期決算発表のたびに3回も上方修正された。ナフサ価格は、期初予想の1キロリットル=3万4000円(前期実績3万2800円)が、4万4600円、4万8600円、5万300円と引き上げられた。このため2021年12月期業績は、売り上げ1160億円(前期比50.0%増)、営業利益185億円(同3.28倍)、経常利益187億円(同3.32倍)、純利益130億円(同3.21倍)とV字回復が見込まれ、純利益は、2017年の過去最高(81億6700万円)を大幅更新する。配当も2回増配され、年間配当は75円(前期実績60円)を予定している。次期2022年3月期業績も、冷凍機油原料の需要拡大や昨年12月の国産ナフサ価格が6万円台に乗せてきたことなどから続伸が有力で、今年2月の決算発表時の業績ガイダンスが注目される。

■PERは9倍台と割安で昨年来高値奪回にスピードアップ

 株価は、年初来安値2322円から四半期決算発表のたびの業績上方修正で窓を開けて急伸したものの、高値では利益確定売りも重く下値確認が続き、昨年の3回目の上方修正では年初来高値3540円まで500円高し、ほぼ往って来いとなった。同安値からは千葉工場増強で出直り直近調整幅の半値戻しをクリアした。PERは9.24倍となお割安であり、昨年来高値3540円奪回にスピードアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る