クリーク・アンド・リバー社は22年2月期3Q累計大幅増益、通期は再上振れが濃厚
- 2022/1/7 08:47
- 決算発表記事情報
(決算速報)
クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1)は1月6日の取引時間終了後に22年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。日本クリエイティブ分野の好調が牽引して大幅増益だった。高利益率案件の増加やDXによる生産性向上なども寄与した。来期以降の成長加速に向けた先行投資などを考慮して通期予想を据え置いたが、再上振れが濃厚であり収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で21年12月の上場来高値圏から一旦反落したが、好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。
■22年2月期3Q累計大幅増益、通期は再上振れが濃厚
22年2月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比13.5%増の312億76百万円、営業利益が57.7%増の30億11百万円、経常利益が55.7%増の30億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.6%増の19億78百万円だった。日本クリエイティブ分野の好調が牽引して大幅増益だった。
日本クリエイティブ分野は売上高が15.0%増の218億10百万円で営業利益(調整前)69.6%増の20億72百万円だった。売上面ではTV番組やゲーム関連を中心に伸長し、利益面では高採算案件の増加やDXによる生産性向上なども寄与した。韓国クリエイティブ分野は売上高が6.2%増の26億08百万円で営業利益が9百万円(前年同期は46百万円の損失)だった。コンテンツ事業のデジタルコミック(Webtoon)やYouTube関連が伸長して黒字化した。
医療分野は売上高が15.5%増の36億10百万円で営業利益が27.3%増の9億37百万円だった。医師紹介が好調だった。レジナビFairはコロナ禍の影響でリアル開催が困難だったが、オンライン開催に切り換えて収益化を図った。会計・法曹分野は売上高が4.0%増の15億37百万円で営業利益が27.3%減の55百万円だった。派遣が伸長したが、紹介がコロナ禍の影響を受けた。その他事業(新規事業)は売上高が11.0%増の17億08百万円で営業利益が59百万円の損失(前年同期は80百万円の損失)だった。9社のうち6社の収益が改善した。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高105億99百万円で営業利益12億30百万円、第2四半期は売上高104億36百万円で営業利益9億27百万円、第3四半期は売上高102億41百万円で営業利益8億54百万円だった。なお医療分野の収益は上期偏重となる季節特性がある。
通期の連結業績予想(9月30日に売上高、利益とも上方修正)は据え置いて、売上高が21年2月期比10.7%増の413億円、営業利益が30.7%増の32億円、経常利益が28.7%増の32億円、親会社株主帰属当期純利益が18.4%増の19億50百万円としている。配当予想は1月6日に期末1円上方修正して、21年2月期比2円増配の18円(期末一括)とした。
日本クリエイティブ分野の好調が牽引して大幅増収増益予想としている。通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76%、営業利益が94%、経常利益が94%、親会社株主帰属当期純利益が101%と高水準である。来期以降の成長加速に向けた先行投資などを考慮して通期予想を据え置いたが、再上振れが濃厚であり、営業利益は中期経営計画の最終年度24年2月期の目標値35億円を一気に達成する可能性がありそうだ。収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価は地合い悪化の影響で21年12月の上場来高値圏から一旦反落したが、好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。1月6日の終値は1895円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS87円48銭で算出)は約22倍、時価総額は約436億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)