トーセは22年8月期1Q大幅増収・黒字転換と順調

(決算速報)
トーセ<4728>(東1)は1月12日の取引時間終了後に22年8月期第1四半期連結業績を発表した。家庭用ゲームソフト開発需要が高水準に推移して大幅増収となり、原価低減なども寄与して各利益は黒字転換した。通期予想は据え置いた。開発需要が高水準に推移し、一時費用の一巡なども寄与して大幅増益予想としている。第1四半期の進捗率は順調であり、通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受けて昨年来安値を更新する場面があったが、その後は調整一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年8月期大幅増益予想、1Q大幅増収・黒字転換と順調

22年8月期第1四半期連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比77.0%増の13億70百万円で、営業利益が1億20百万円(前年同期は1億11百万円の赤字)、経常利益が1億30百万円(同1億09百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が79百万円(同85百万円の赤字)だった。家庭用ゲームソフト開発需要が高水準に推移して大幅増収となり、原価低減による売上総利益率改善なども寄与して各利益は黒字転換した。

デジタルエンタテインメント事業は売上高が2.0倍の12億86百万円で営業利益が97百万円(同1億16百万円の赤字)だった。売上高の内訳はゲームソフト関連が家庭用ゲームソフトの複数の大型案件の進行で10.7倍の7億93百万円、モバイルコンテンツ関連が運営売上の減少で5.7%減の4億81百万円、パチンコ・パチスロ関連が79.7%減の11百万円だった。その他事業は売上高が37.9%減の83百万円で営業利益が5.2倍の23百万円だった。SI事業の案件が減少して減収だが、家庭用カラオケ楽曲配信事業のロイヤリティ売上が高水準に推移して損益改善した。

通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年8月期比4.7%増の62億42百万円、営業利益が80.3%増の4億80百万円、経常利益が71.7%増の4億88百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が93.0%増の2億86百万円としている。配当予想は21年8月期と同額の25円(第2四半期末12円50銭、期末12円50銭)としている。

売上面は家庭用ゲームソフト開発案件の増加などで堅調に推移し、利益面は前期に発生した開発改修対応費用や新型コロナ感染予防対策費用などが一巡し、さらに開発体制の充実・強化や原価低減効果なども寄与して大幅増益予想としている。

セグメント別の売上高は、デジタルエンタテインメント事業が7.2%増の58億70百万円(売上構成比はゲームソフト関連が70.0%、モバイルコンテンツ関連が29.7%、パチンコ・パチスロ関連が0.2%)で、その他事業が22.6%減の3億72百万円の計画としている。

通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高21.9%、営業利益25.0%、経常利益26.6%、親会社株主帰属当期純利益27.6%と概ね順調だった。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

株価は地合い悪化の影響を受けて昨年来安値を更新する場面があったが、その後は調整一巡して反発の動きを強めている。第1四半期の好業績を評価して出直りを期待したい。1月12日の終値は732円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円74銭で算出)は約19倍、時価総額は約57億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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