【注目銘柄】菱洋エレクトロは3Q好業績を支えに期末配当権利取りに一考余地

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 菱洋エレクトロ<8068>(東1)は、昨年12月3日につけた直近安値から約300円高しており、目先の利益を確定する売り物が続いている。ただ1月期決算会社の配当権利付き最終売買日が27日に迫るなか、同社の年間配当利回り5.14%は、1月期決算会社の配当利回りランキングのトップにランクされており、下値は配当利取りも一考余地がある。今2022年1月期業績も、昨年11月25日に開示した第3四半期(2021年2月~10月期、3Q)業績が、通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことも見直されそうだ。

■記念配当を落とすが年間配当利回りは1月期決算会社のトップ

 同社の配当は、前2021年1月期に設立60周年の記念配当60円を上乗せするとともに、普通配当も前々期の80円から120円に引き上げ年間180円に大幅増配した。今2022年1月期は、記念配当は落とすが普通配当については純資産配当率の5%を目安とする配当基本政策に従って年間120円を据え置く予定となっている。年間120円配当の利回りは、5.14%と1月期決算会社の配当利回りランキングでは第1位にランクされ、東証第1部全銘柄順位でも第36位に位置する。

 この前提となる今2022年1月期業績も増収増益転換が予想され、売り上げ1000億円(前期比4.4%増)、営業利益20億円(同57.9%増)、経常利益19億5000万円(同2.15倍)、純利益13億5000万円(同67.5%増)と見込んでいる。昨年11月25日に発表した今期3Q業績も好調で、売り上げ804億円(前年同期比15.5%増)、営業利益15億700万円(同79.0%増)、経常利益16億4000万円(同3.40倍)、純利益12億600万円(同2.79倍)で着地し、経常利益と純利益の通期予想業績対比の進捗率は、84%~89%と目安の75%を上回った。半導体・デバイス事業で、デジタル家電向けの半導体需要が増加し、アジア向けの売り上げやセグメント利益がV字回復したことなどが要因となった。今1月期通期業績は、第4四半期も半導体の供給不足や原材料価格の高騰などが懸念されるとして慎重に期初予想を据え置いたが、上ぶれ着地も期待される。現に東洋経済会社四季報最新号では、通期純利益を14億5000万円と観測している。

■GCとミニDCが拮抗も昨年来高値調整幅の3分の1戻しを試す

 株価は、前期末の配当権利取りでつけた昨年来高値3700円から配当権利落ちと半導体不足の懸念売りが重なって昨年来安値2156円まで調整し、増収増益転換した四半期決算開示のたびに2600円台、2400円台と戻りを探り、3Q高利益進捗率業績も期初予想を据え置いたことで2165円安値まで再調整、期末配当権利取りの再燃で2400円台までリバウンドし、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現し、足元の3営業日続落では5日移動平均線が25日線を下抜くミニ・デッドクロス(DC)となるやや強弱感が拮抗するチャートを形成している。それでもミニDCでは目先売り一巡を示唆したとして配当権利取り優先とともに値幅効果も期待され、昨年来高値から同安値の調整幅の3分の1戻しの2670円を試そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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