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ティムコは反発の動き、22年11月期黒字転換予想で収益改善基調
- 2022/1/31 08:42
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ティムコ<7501>(JQ、新市場区分スタンダード)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売を展開している。21年11月期は2桁増収となり、各利益とも赤字が大幅に縮小した。22年11月期は2桁増収・黒字転換予想としている。屋外アクティビティとして釣り関連市場が拡大しており、収益改善基調だろう。4月4日移行予定の新市場区分についてはスタンダード市場に移行する。株価は地合いが悪化する中でも下値を切り上げて反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。
■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売
フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。
フィッシング用品の分野では、日本では歴史の浅いフライフィッシングのパイオニアであり、竿から衣料品に至るまで全てのフライ用品を取り扱う唯一の企業であることを特徴・強みとしている。アウトドア用品の分野では、オリジナルブランドのアウトドアクロージング「Foxfire」を主力としている。
21年11月期セグメント別売上高構成比はフィッシング事業が36%、アウトドア事業が63%、その他(不動産賃貸収入など)が1%、営業利益(全社費用等調整前)はフィッシング事業が102%、アウトドア事業が▲15%、その他が12%だった。
基本戦略として、規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業ではフライ用品の裾野拡大やルアー用品のユーザー層拡大、アウトドア事業ではオリジナルアウトドアブランド「Foxfire」や直営店舗「Foxfire Store」の認知度向上・ユーザー層拡大に取り組んでいる。
またネット通販や宣伝販売促進の更なる強化、フィッシング事業の強化、直営店フォックスファイヤーの販売チャネル見直しや不採算店舗整理による事業効率化、社内業務見直しによる販管費コントロール・経費削減なども推進している。
なお19年4月にスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となっている。商品開発・販売などを共同展開する。21年11月にはスノーピーク、アイビック、アイビック食品、および同社の4社共同で、キャンプ・フィッシング・食を融合した体験型施設などを展開し、新たなアウトドアカルチャーの価値創造を目的とする新会社キャンパーズアンドアングラーズ(札幌市)を設立した。
■21年11月期は赤字縮小、22年11月期は2桁増収・黒字転換予想
21年11月期第の業績(非連結)は、売上高が20年11月期比10.7%増の29億51百万円、営業利益が26百万円の赤字(20年11月期は1億34百万円の赤字)、経常利益が14百万円の赤字(同1億27百万円の赤字)、当期純利益が9百万円の赤字(同2億28百万円の赤字)だった。特別利益では投資有価証券売却益20百万円を計上、雇用調整助成金等が10百万円減少、特別損失では臨時休業による損失が28百万円減少、前期計上した減損損失57百万円が剥落した。配当は20年11月期と同額の5円40銭(期末一括)とした。
従来予想との比較(1月14日に下方修正)では、アウトドア事業の都市部の店舗における販売が新型コロナウイルス感染第5波の影響を受けたため、売上高、利益とも従来予想を下回ったが、前期(20年11月期)との比較では、フィッシング事業の好調が牽引して2桁増収となり、利益は赤字が大幅に縮小した。
フィッシング事業は、売上高が19.5%増の10億65百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が27.6%増の1億67百万円だった。3密を避けた屋外アクティビティとして釣り関連市場が拡大し、ルアー用品の新製品投入やフライ用品の輸出増加なども寄与した。
アウトドア事業は、売上高が6.3%増の18億59百万円で、営業利益が24百万円の赤字(20年11月期は36百万円の赤字)だった。釣り関連商品の好調や直営店の増加などで増収だが、新型コロナウイルス感染第5波の影響で、アウトドア衣料を中心とした販売が都市部の店舗で苦戦した。集客低迷を補うための値引き販売、直営店舗増加に伴う運営経費の増加に加えて、セグメント費用配分方法も影響して利益が伸び悩んだ。
なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億07百万円で営業利益が60百万円の赤字、第2四半期は売上高が7億96百万円で営業利益が35百万円の黒字、第3四半期は売上高が6億73百万円で営業利益が19百万円の赤字、第4四半期は売上高が7億75百万円で営業利益が18百万円の黒字だった。
22年11月期の業績(非連結)予想は、売上高が21年11月期比12.3%増の33億13百万円、営業利益が55百万円の黒字(21年11月期は26百万円の赤字)、経常利益が59百万円の黒字(同14百万円の赤字)、当期純利益が43百万円の黒字(同9百万円の赤字)としている。配当予想は21年11月期と同額の5円40銭(期末一括)としている。
ネット通販の強化、宣伝販売促進の強化、フィッシング事業の更なる強化、直営店事業であるフォックスファイヤーストアの販売チャネル見直しや不採算店舗整理、さらに社内業務見直しによる販管費コントロールなどによって、売上および利益の拡大を図る方針としている。3密を避けた屋外アクティビティとして釣り関連市場が拡大している。さらに製品価格改定(21年12月からフライ関連の一部製品の価格改定を実施)も寄与して収益改善基調だろう。
■株主優待制度は毎年11月末の株主対象
株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。
■株価は反発の動き
株価は地合いが悪化する中でも下値を切り上げて反発の動きを強めている。低PBRも評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。1月28日の終値は802円、今期予想PER(会社予想のEPS17円36銭で算出)は約46倍、今期予想配当利回り(会社予想の5円40銭で算出)は約0.7%、前期実績PBR(前期実績のBPS1809円91銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約27億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)