今週の当特集は、諺の「明日の百より今日の五十」の実践編として、「オミクロン型」関連株にフォーカスすることとした。2020年12月以来の新型コロナウイルス感染症拡大の「第6波」相場もないとはいえない。「第5波」までの「デルタ型」と「オミクロン型」では感染力も感染症状も異なり、コロナワクチンや経口治療薬も開発済みであり、関連株買いもそれなりの取捨選択が不可避となる。医療機関や調剤薬局などで在庫が払底し、政府が増産要請している抗原検査キットなどを中心にポートフォリオを組み立てることがキモとなりそうだ。
■増産要請の抗原検査キット関連株に続きPCR検査関連株も
抗原検査キットでは、政府が、1日50万回分だった生産を80万回分に増産を要請し買い取り保証も行うことから、同メーカーが関連株となる。コード番号順に列記するとニチレイ<2871>(東1)、アルフレッサホールディングス<2784>(東1)、東洋紡<3101>(東1)、デンカ<4061>(東1)、ロート製薬<4527>(東1)、H.U.グループホールディングス<4544>(東1)、カイノス<4556>(JQS)、富士フイルムホールディングス<4901>(東1)などとなる。
またPCR検査では、プレシジョン・システム・サイエンス<7707>(東マ)が、同社の新宿ラボラトリーを東京都の無料化事業所に登録申請したと発表して27日に急騰し、28日にはストップ高したが、この検査装置、検査試薬、検査受託の銘柄も関連人気を高めよう。これもコード番号順に列記すると、トランスジェニック<2342>(東マ)、イメージワン<2667>(東1)、カネカ<4118>(東1)、栄研化学<4549>(東1)、キョーリン製薬<4569>(東1)、ビー・エム・エル<4694>(東1)、ファルコホールディングス<4671>(東1)、タカラバイオ<4974>(東1)、リプロセル<4978>(JQG)、シスメックス<6869>(東1)、島津製作所<7701>(東1)などとなる。
■ブ―スター接種関連株から在宅医療関連株にも再出番
立ち遅れている3回目のコロナワクチン接種「ブースター接種」の加速では、自治体向け接種管理システムの電算<3640>(東1)、全研本社<7371>(東マ)、接種向けに看護師などの人材を派遣したMRT<6034>(東マ)、キャリア<6198>(東マ)、自衛隊の大規模ワクチン接種も再開されることから大規模会場の設営実績のあるユーユーレンティア<7081>(JQS)などが注目される。
自宅療養者が急増し、東京都が、療養者自らに健康観察をしてもらう体制に移行したことからこの関連株も注目される。まず血液中の酸素濃度を測定するパルスオキシメーター関連株で、帝人<3401>、コニカミノルタ<4902>(東1)、小池酸素工業<6137>(東2)、ダイキン工業<6367>(東1)、オムロン<6645>(東1)日本光電<6849>(東1などが浮上する。在宅医療の酸素関連では、エア・ウォーター<4088>(東1)、星医療酸器<7634>(JQS)、酸素濃縮器の大丸エナウィン<9818>(東2)と続く。この「オミクロン型」関連株買いが、今後「第5波」までのオンライン診療関連株、巣ごもり消費関連株やテレワーク関連株、アウトドアポーツ関連株などの「ウイズ・コロナ」関連株相場の再現にスケールアップするか、さらに前菅内閣のように新規感染者の増加が内閣支持率の低下に逆相関し国内政局に影響するのかなど、注意深く見極める必要がある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)