テンポイノベーションは22年3月期3Q累計増収・営業増益と順調、配当は増配予想

(決算速報)
 テンポイノベーション<3484>(東1、新市場区分プライム)は2月3日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して増収・営業増益と順調だった。通期予想を据え置いたが上振れ余地がありそうだ。未定としていた配当予想は21年3月期比2円増配の11円とした。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、売り一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計は増収・営業増益と順調、通期予想は上振れ余地

 22年3月期第3四半期累計の業績(非連結、収益認識会計基準を適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比6.2%増の84億29百万円で、営業利益が6.1%増の6億41百万円、経常利益が0.6%減の6億89百万円、四半期純利益が1.2%減の4億67百万円だった。

 コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して増収・営業増益と順調だった。なお営業外費用で支払補償費が増加(前期は35百万円、今期は75百万円)したため、経常利益と四半期純利益は微減益だった。

 店舗転貸借事業は売上高が6.7%増の76億45百万円、営業利益が51.3%増の5億35百万円だった。新規契約件数および後継契約件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の合計成約件数は前年同期比79件増加の295件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は前年同期比211件増加の1888件となった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに対応して積極的な仕入を実行した。なお四半期別の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件で、第3四半期はコロナ禍前の20年3月期第4四半期(105件)以来の100件超に回復した。

 不動産売買事業は売上高が1.5%増の7億84百万円、営業利益が57.7%減の1億06百万円だった。前期の高収益物件売却の反動で減益だが、店舗転貸借事業の推進に向けた不動産業者とのリレーションシップ強化を目的とする事業である。当期は4物件を売却、5物件を取得して、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円、第3四半期は売上高が27億62百万円で営業利益が2億円だった。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。未定としていた配当予想は21年3月期比2円増配の11円(期末一括)とした。

 店舗転貸借事業の合計成約件数は前期比106件増加の420件、期末の転貸借契約締結物件数は前期末比210件増加の1916件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.4%、営業利益が78.8%、経常利益が79.2%、当期純利益が78.6%と順調である。通期予想を据え置いたが上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、売り一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。2月3日の終値は831円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約25倍、時価総額は約147億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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