クレスコは22年3月期3Q累計大幅増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 クレスコ<4674>(東1、新市場区分プライム)は2月4日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。受注が好調に推移し、生産性向上効果なども寄与して大幅増益と順調だった。不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、受注が好調であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から急反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期3Q累計大幅増益と順調、通期上振れの可能性

 22年3月期第3四半期累計連結業績(収益認識基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比11.7%増の324億06百万円、営業利益が37.9%増の32億92百万円、経常利益が16.6%増の36億41百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.9%増の25億64百万円だった。

 受注が好調に推移(受注高は15.7%増の334億53百万円)し、生産性向上や不採算プロジェクト極小化なども寄与して大幅増益と順調だった。なお営業外収益ではデリバティブ評価益が減少(前期は3億95百万円計上、今期は22百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前期は2億50百万円計上、今期は1億72百万円計上)した。

 ITサービス事業(22年3月期からセグメント区分変更、前年比は組替後)は、売上高が10.3%増の309億72百万円(エンタープライズが6.9%増の134億25百万円、金融が10.1%増の100億03百万円、製造が17.3%増の75億42百万円)で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が29.4%増の41億92百万円だった。エンタープライズは人材紹介・派遣、運輸、旅行・ホテル、建設・不動産の受注が回復した。金融は保険の大型案件受注に加えて、証券・クレジットカード等も増加した。製造は機械・エレクトロニクスが増加し、子会社OECの連結も寄与した。

 デジタルソリューション事業は、売上高が51.7%増の14億34百万円で利益が42.0%増の1億07百万円だった。クラウドサービス「Creage」やRPAライセンス販売が増加し、子会社における大型ソリューション案件も寄与した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が98億70百万円で営業利益が7億99百万円、第2四半期は売上高が111億91百万円で営業利益が12億18百万円、第3四半期は売上高が113億45百万円で営業利益が12億75百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が21年3月期比6.8%増の424億円、営業利益が10.5%増の38億50百万円、経常利益が2.4%増の42億円、親会社株主帰属当期純利益が8.2%増の28億50百万円としている。配当予想は2円増配の40円(第2四半期末20円、期末20円)としている。

 顧客のIT投資が順調に回復して増収増益予想としている。不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が76.4%、営業利益が85.5%、経常利益が86.7%、親会社株主帰属当期純利益が90.0%と順調だった。受注が好調であり、顧客の予算執行時期の関係で下期の構成比が高い特性があることなども勘案すれば、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から急反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。2月4日の終値は1848円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS135円45銭で算出)は約14倍、時価総額は約425億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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