【編集長の視点】グラファイトデザインは期末接近で増配の配当権利取りが再燃、1000円大台回復も意識

編集長の視点

■2回の上方修正もサポート材料

 グラファイトデザイン<7847>(JQS)は2月8日、18円高の723円まで上げて続伸し、年初来高値を更新している。2月期期末接近とともに、同社の今2022年2月期配当が、年間35円(前期実績20円)へ大幅増配予定にあることを見直し配当権利取りの買い物が再燃した。同社の年間配当利回りは、2月期決算会社の配当利回りランキングのトップにランクされており、増配の前提となる同社の今2月期業績が、2回も上方修正されたこともサポート材料として意識されている。

■自社ブランドシャフトが大きく伸び今期純利益は3倍増益と連続高変化

 同社の今期配当は、今2月期業績の再上方修正と財務状況を勘案して普通配当20円に特別配当15円を上乗せして年間35円に大幅増配の予定である。この業績再上方修正は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のなか、「三密」回避のアウトドアスポーツとしてゴルフ人気が回復し、自社ブランドシャフト「Tour AD」の各ゴルフショップの直販販売や各クラブメーカーのカスタム受注が増加し、米国市場でも「Tour AD」DIシリーズが、大手クラブメーカーのストックカスタムに採用されたことなどが要因となっている。

 業績そのものは、昨年9月に上方修正されたものを今年1月に再上方修正し、売り上げは昨年9月の修正値より4億5000万円、営業利益は同2億3000万円、経常利益は同2億5200万円、純利益は同1億8300万円それぞれ引き上げ、売り上げ32億5000万円(前期比24.8%増)、営業利益6億1000万円(同3.07倍)、経常利益6億4100万円(同3.27倍)、純利益4億3400万円(同3.43倍)と連続の高変化を見込んでいる。

■高値肉薄もまだPER10倍、PBR1倍、配当利回りは4.9%

 株価は、昨年1月の昨年来安値400円から「ウイズ・コロナ」関連株人気で水準を切り上げ昨年9月の1回目の今期業績の上方修正で昨年来高値713円まで買われ、その後の調整安値581円からは今年1月の業績再上方修正・増配で710円の戻り高値をつけ昨年来高値抜けを窺っていた。PERは10.4倍、PBRは1.04倍、配当利回りは4.96%と割安であり、2月24日の権利付き最終売買日に向け所有期間利回り的なインカムゲインとともに値幅効果期待も高め、昨年来高値抜けから2014年1月以来の1000円大台回復も意識されそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る