インフォマートは22年12月期減益予想、積極的な先行投資を継続

(決算速報)
 インフォマート<2492>(東1、新市場区分プライム)は2月14日の取引時間終了後に21年12月期連結業績を発表した。従来予想を上回って着地したが、前期比では先行投資の影響で減益だった。配当は上方修正した。22年12月期は売上成長の加速を優先して積極的な先行投資を継続するため減益予想としている。23年開始のインボイス制度などのDXニーズも背景として、先行投資の成果で中期的に収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する軟調展開だが、売り一巡して出直りを期待したい。

■22年12月期減益予想、積極的な先行投資を継続

 21年12月期連結業績は売上高が20年12月期比12.1%増の98億35百万円、営業利益が30.0%減の10億30百万円、経常利益が29.9%減の10億21百万円、親会社株主帰属当期純利益が46.9%減の5億38百万円だった。配当予想は期末33銭上方修正して、20年12月期比2円28銭減配の1円43銭(第2四半期末47銭、期末96銭)とした。

 売上高、利益とも従来予想(21年10月29日に上方修正)を上回って着地したが、前期比では新規契約数増加などで2桁増収ながら、ユーザー数拡大に対応したサーバー体制増強に伴うデータセンター費の増加、ソフトウェア償却費の発生、事業拡大に向けた営業および営業サポート人員補強に伴う人件費の増加など、先行投資の影響で減益だった。

 BtoB-PF FOOD事業は、売上高が4.7%増の70億円、セグメント利益(調整前営業利益)が19.5%減の21億63百万円だった。売上面は2桁増収だった。テイクアウト・デリバリー等の新業態、外食チェーン、ホテル等での業務効率化を目的とした新規契約企業数が増加した。さらにコロナ禍の影響が和らぎ、食材流通額が増加して売り手企業の従量制システム使用料が増加した。受発注の期末の買い手企業数は前期末比254社増加の3439社、売り手企業数は2188社増加の4万120社となった。規格書も利用企業数が増加した。

 BtoB-PF ES事業は、売上高が36.0%増の28億35百万円、利益が11億37百万円の赤字(20年12月期は12億18百万円の赤字)だった。売上面は、業務効率化やDXへの関心の高まりなどにより、フード業界にとどまらず幅広い業界で新規有料契約企業数が増加したことに加えて、請求書電子データ化の推進でログイン社数が増加してシステム使用料およびセットアップ売上が増加した。請求書の期末企業数は15万7488社増加の67万528社(うち契約企業数は1192社増加の6528社)となった。契約書と商談も企業数が増加した。コスト面では事業拡大に向けて、営業人員増強やマーケティング施策など積極的な先行投資を継続した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が22億99百万円で営業利益が3億83百万円、第2四半期は売上高が23億94百万円で営業利益が3億23百万円、第3四半期は売上高が24億61百万円で営業利益が2億02百万円、第4四半期は売上高が26億81百万円で営業利益が1億21百万円だった。第3四半期はデータセンター費が増加、第4四半期は人件費と販促費が増加した。なお第4四半期の売上高は四半期ベースで過去最高だった。

 22年12月期連結業績予想は、売上高が21年12月期比11.7%増の109億86百万円、営業利益が90.3%減の1億円、経常利益が96.0%減の41百万円、親会社株主帰属当期純利益が92.0%減の43百万円としている。配当予想は21年12月期比1円25銭減配の18銭(第2四半期末9銭、期末9銭)としている。

 セグメント別計画は、BtoB-PF FOOD事業の売上高が8.8%増の76億19百万円でセグメント利益(調整前営業利益)が12.0%減の19億03百万円、BtoB-PF ES事業の売上高が18.8%増の33億67百万円で利益が17億96百万円の赤字(21年12月期は11億37百万円の赤字)としている。

 22年12月期は新規契約企業数の増加や食材流通の回復などで2桁増収だが、売上成長の加速を優先して積極的な先行投資を継続するため減益予想としている。外食産業における受発注の電子化、企業における請求書の電子化、23年開始のインボイス制度などのDXニーズも背景として、先行投資の成果で中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する軟調展開だが、売り一巡して出直りを期待したい。2月15日の終値は595円、そして時価総額は約1544億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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