【編集長の視点】平山は上場来安値から急続伸、2ケタ増益業績を評価して割安直近IPO株買いが増勢

編集長の視点

平山<7781>(JQS)は、75円高の2551円と今年7月10日につけた上場来安値2440円から急続伸し、同じく10日の取引時間中につけた上場来高値2783円を窺っている。

同社株は、7月10日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、今2016年6月期業績が2ケタの増収増益と予想されていることを評価して割安直近IPO株買いが増勢となっている。参議院で審議中の労働者派遣法改正案が、今年7月中旬に可決・成立する可能性が高いことや、円安の進行とともに製造業の国内回帰が目立っていることも、同社の人材派遣事業に追い風になるとしてフォローの材料視されている。

■派遣ニーズ高く業務拡大に向け人材・技術者の採用を積極化

同社のIPO後の初決算となる前2015年6月期業績は、今年8月中旬に発表される予定だが、同社は、すでにIPO時にこの前2015年6月期業績とともに、今2016年6月期業績の予想も開示している。

それによると、2016年6月期業績は、売り上げ100億1700万円(前期予想比11.0%増)、経常利益4億3200万円(同21.7%増)、純利益2億5300万円(同25.2%増)といずれも2ケタの続伸が見込まれている。アウトソーシング事業では、主要取引先のテルモ<4543>(東1)向けの売り上げが5%程度増加するほか、新規取引先も開拓し、業務拡大に向け人員を前期比約300名増員し、技術者派遣事業も、既存取引先からの引き続き強い派遣ニーズに対応し、今年4月に新卒者12名の採用ほか中途採用も実施、この人材募集のための採用広告費の増加などをカバーして続伸する。

なお8月中旬に発表予定の前2015年6月期業績は、売り上げ90億2600万円(前々期比9.4%増)、経常利益3億5400万円(同8.9%増)、純利益2億200万円(同11.2%増)と予想されている。また配当については、前2015年6月期、今2016年6月期とも実施意向で、IPO時には未定としており、初決算開示時にどのような株主還元策が発表されるか注目されている。

■今期予想ベースのPERは16倍台で配当動向にも期待高める

株価は、公開価格2130円でIPOされ2758円で初値をつけ上場来高値2783円まで買い進まれ、2440円と下ぶれたが、PERは前期推定ベースで17倍台、今期予想ベースでは16倍台とジャスダック市場平均を下回って割安として再騰している。労働者派遣法改正案の成立や初決算・配当動向に期待を高めて最高値抜けから上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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