いすゞ、日野、トヨタ、次世代FCEV路線バスの企画・開発に向けた検討を開始

■カーボンニュートラル実現に向けて、バスの電動化を加速

 いすゞ自動車<7202>(東1)と日野自動車<7205>(東1)、トヨタ自動車<7203>(東1)は2月28日、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、バスの電動化の取り組みを強化すると発表。商用CASE普及による社会課題解決に取り組むCommercial Japan Partnership Technologiesとも連携し、ラインアップ拡充により顧客の選択肢を広げるとともに、車両コストを低減し、実用的かつ持続的な電動車の普及に取り組んでいく。

■いすゞと日野、BEVフルフラット路線バスを2024年度に生産開始

 いすゞと日野は、2050年脱炭素社会の実現に向けて、BEVフルフラット路線バスを両社の合弁会社である、ジェイ・バスにて2024年度から生産を開始する。

 いすゞと日野は、2002年よりバス事業で協業しており、国内のバス事業者様のニーズにきめ細かく対応してきた。昨今、カーボンニュートラル実現へ向けた急速な動きを背景に、路線バスのゼロエミッション化へのニーズは高まっており、両社でこれに応えていく。

 2024年度に生産開始するBEVフルフラット路線バスは、いすゞが開発を担当し、パワートレインのBEV化による走行時のCO2排出ゼロにより、脱炭素社会実現に貢献していく。またBEV化によるレイアウトの自由度を活かすことで、従来のノンステップバスと比較し、フルフラットエリアの大幅な拡大を実現する。これにより、車内移動の安全性を改善し、乗客の車内事故ゼロを目指していく。

■いすゞ、日野、トヨタ、次世代FCEV路線バスの企画・開発に向けた検討を開始

 また、いすゞ、日野、トヨタは、2024年度に生産開始するBEVフルフラット路線バスをベースとした次世代のFCEV路線バスの企画・開発に向けた検討を開始することに合意した。

 次世代FCEV路線バスは、2024年度投入予定のBEVフルフラット路線バスのプラットフォームと、トヨタのMIRAI・SORAで培ってきたFCシステムを組み合わせる。BEVとFCEVの部品の共通化によるコストの大幅低減を図るとともに、新世代のFCスタックを採用し、これまでのトヨタ・日野のFCEVバス開発のノウハウも活用することで、より長寿命で付加価値の高い電動車の提供を目指していく。

 この取り組みにより、日本の強みであるFC技術を活かして、日本の水素社会実現に向けて貢献していくという。

 いすゞは、2050年の社会が豊かで持続可能であるために、いすゞグループが環境面で目指すべき姿を明確にした「いすゞ環境長期ビジョン2050」(2020年公表)を策定し取り組みを推進している。日野は、「日野環境チャレンジ2050」(2017年発表)で環境負荷ゼロへのチャレンジを掲げており、2021年4月には中間目標となる「日野環境2030マイルストーン」を設定し取り組みを加速していく。トヨタも「トヨタ環境チャレンジ2050」(2015年公表)を策定し、走行中CO2排出量の大幅削減を掲げ、電動車の技術開発と普及促進に尽力していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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