【材料でみる株価】ジェイエフイーHDは機雷掃海関連、株価に動意
- 2015/7/15 10:17
- 材料でみる株価
ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>(東1部・売買単位100株)は掃海艇を建造しているジャパンマリンユナイテッドの親会社の1社である。掃海艇の船体はこれまで、木造船だったが、最近ではガラス繊維強化プラスチック製となっており、この建造技術は世界でもトップクラスという。戦後、日本の海上自衛隊は朝鮮戦争時において活躍をしており、掃海実績は世界トップクラスである。
安倍晋三首相は安全保障関連法案に絡んで、集団的自衛権を行使する事例として中東・ホルムズ海峡での機雷掃海を挙げている。こうしたなか、海上自衛隊は、6月に掃海艇7隻を硫黄島に派遣して機雷の掃海作業を公開した。
ただ、最近になって緊張が高まっているのは、ホルムズ海峡ではなく、南シナ海だ。中国海軍が南シナ海の岩礁を埋め立てて、滑走路など軍事施設を建設中である。これに対して日本をはじめ米国が強く中国を非難しているが、「米国海軍は中国海軍が埋め立て中の岩礁より12カイリ以内に海域に侵入する可能性がある」(評論家)としている。米国としてはここの海域が公海であることを証明することを目的としているが、これに対して中国海軍は機雷を配備する計画だという。この機雷は台湾とは関係が緊張した時に用意された旧式の機雷だが、数万発に及ぶ。これが南シナ海でばらまかれたら、その周辺海域を通行する船舶の航行が脅かされることになるが「中国海軍は機雷を使用する準備をしている」(海洋専門家)との見方が浮上している。
最新鋭の掃海艇を建造しているジャパンマリンユナイテッドユニバーサの親会社の1社であるジェイ エフ イー ホールディングスが見直される可能性が高い。同社は傘下にJFEスチールを軸に商事、エンジニアリング会社を展開。業績もすこぶる好調だ。
株価は6月4日に3081円の高値を付けた後、全体相場の軟調を受けて7月9日には2341円まで下げた。その後、反発し2500円台を回復している。機雷問題が同社株の強力な買い材料となるか否かは現時点でははっきりしないが、注目されてきそうだ。