【注目銘柄】菊水電子工業は3回目の業績上方修正と増配を見直して割安修正へ

 菊水電子工業<6912>(JQS)は、今年2月25日に今2022年3月期業績の3回目の上方修正と増配を発表し、株価は窓を開けて200円高しており、戻り売りに押されてこの窓埋めを続けてきたが、窓埋め終了として業績再々上方修正と増配を見直し割安修正買いが増勢となっている。株式需給的にも、新興市場株として信用買い残がやや多く荷もたれ感があったが、昨年来高値1612円をつけた今年1月月初から50%超減と整理が進んだことも、買い手掛かりとなっている。

■EV向けバッテリテスタなど自動車、半導体の受注環境が好調推移

 同社の今3月期業績は、昨年7月、10月、今年2月と3回上方修正された。今年2月の再々上方修正は、10月の再上方修正値より売り上げを8億500万円、営業利益を1億6900万円、経常利益を1億6700万円、純利益を8700万円それぞれ引き上げ、売り上げ99億8000万円(前期比22.2%増)、営業利益10億7000万円(同2.55倍)、経常利益11億2000万円(同2.43倍)、純利益7億4000万円(同2.27倍)と見込み、V字回復を鮮明化する。重点市場の航空宇宙、電池、自動車向けにEV(電気自動車)用バッテリテスタや半導体関連の電源機器などの受注環境が好調で、とくにグリーンエネルギー政策で需要が拡大している米国やEV(電気自動車)化が加速している中国を中心に海外売上高が大きく伸びていることが要因となった。

 配当は、期初予想の23円(前期実績20円)を30円に引き上げ増配幅の拡大を予定している。なお信用買い残は、今年1月7日のピーク12万1100株から3月11日現在、6万200株と50.2%減まで整理が進捗している。

■急伸時の窓埋めを終了し直近高値を抜き昨年来高値を目指す

 株価は、昨年7月の今期業績の1回目の上方修正でストップ高を交えて1120円高値まで買われ、10月の2回目の上方修正では1143円高値をつけ、今年1月にはEV用バッテリテスタなどへのEV関連株人気の波及で昨年来高値1612円高値まで買い進まれた。同高値後の調整安値950円安値からは3回目の業績上方修正と増配を好感して窓を開けて1220円までリバウンドしこの窓埋めを続けてきた。PERは11.7倍、PBR0.86倍、配当利回りは2.87%と割安であり、直近高値1220円を奪回し、昨年来高値1612円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力  富士通<6702>(東証プライム)は2月21日…
  2. ■両社の資源を有効活用しSDGsに貢献  伊藤忠商事<8001>(東証プライム)グループのファミリ…
  3. ■純正ミラーと一体化し、左後方の視界を広げる  カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、純正…
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■投資と貯蓄の狭間で・・・  岸田内閣の「資産所得倍増プラン」は、「貯蓄から投資へ」の流れを目指し…
  2. ■「ノルム(社会規範)」解凍の序章か?植田新総裁の金融政策正常化  日本銀行の黒田東彦前総裁が、手…
  3. ■「日経半導体株指数」スタート  3月25日から「日経半導体株指数」の集計・公表がスタートする。東…
  4. ■投資家注目の適正株価発見ツール  日銀の価格発見機能が不全になる可能性がある中、自己株式取得が新…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る