【株式市場特集】歴史に名を残すことを目指すパウエルFRB議長に注目
- 2022/3/22 11:08
- 特集
今週の当特集は、期末に配当権利取り、配当の再投資も加わることから、キーパーソンとしてインフレファイターとして歴史に名を残すことを目指すパウエルFRB議長に注目することにした。実際に東京市場の連休中の前日21日に米国市場では、パウエル議長の大幅金利引き上げ示唆発言で、10年物国債利回りは一時、2.32%と2年10カ月ぶりの高水準となり、つれてNYダウは、201ドル安と6営業日ぶりに反落した。
この長期金利上昇で利ザヤ拡大や運用環境が改善すると期待されるとすれば、金利敏感系のメガバンク株、生損保株をマークするところだろ。またこの3月期末は、昨年9月に昨年来高値をつけた主力株の高値期日到来となることからこの高値期日向かいの需給相場にも注目した。この二本足打法でジャンプアップできれば、秀吉並みに乱世相場に一区切りをつけることをなるかもしれない。
■高値挑戦のメガバンク株はなお低PER・PBR、高配当利回り
メガバンクのうち三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東1)と三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1)は、今年2月8日に米国の10年物国債利回りが1.97%と2019年11月以来の高水準となったことで利ザヤ拡大を期待し揃って昨年来高値を更新した。足元の10年物国債利回りは、前週末18日は2.151%とやや低下したものの、3月15日には一時2.16%と上昇し今年2月水準を上回っており、FRBの0.25%の政策金利引き上げからも、今年2月高値に挑戦し更新が有力視される。しかも両行とも今期業績を上方修正し配当も増配、自己株式取得も実施と材料満載である。PERはそれぞれ6倍、8倍、PBRは0.5倍、配当利回りは3.6%、5.1%と究極のバリュー株を示唆している。同じメガバンクの新生銀行<8303>(東1)、あおぞら銀行<8304>(東1)、りそなホールディングス<8308>(東1)、三井住友トラスト・ホールディングス<8309>(東1)、みずほフィナンシャルグループ<8411>(東1)なども追随の動きを強めよう。
収益環境の改善では今年2月に今3月期業績の2回目の上方修正と自己株式消却を発表した東京海上ホールディングス<8766>(東1)を筆頭に生損保株が、同様に今年2月につけた昨年来高値への挑戦、更新が有望となる。かんぽ生命<7181>(東1)、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>(東1)、SOMPOホールディングス<8630>(東1)、第一生命ホールディングス<8750>(東1)、T&Dホールディングス<8795>(東1)は、T&DのPER311倍を例外にすべてPERは5倍~11倍、PBRは0.3倍~1.1倍、年間配当利回りは3%~4%となお割り負けており、期末の配当権利取りも上乗せとなる。
■期日到来の鉄鋼など素材株やハイテク株、消費関連株も信用取組は拮抗方向
昨年9月の高値期日到来関連では、まず景気敏感の素材関連株が浮上する。鉄鋼の日本製鉄<5401>(東1)、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>(東1)、化学の東ソー<4042>(東1)、三井化学<4183>(東1)、三菱ケミカルホールディングス<4188>(東1)、非鉄の東邦亜鉛<5707>(東1)などである。このうち日本製鉄は、今3月期業績の2回上方修正、2回の増配でPERは3倍台、PBRは0.6倍、年間配当利回りは6.4%と割り負け、信用買い残も昨年11月ピークの2400万株が足元で1680万株まで整理が進捗する一方で売り残もやや増加して拮抗方向で期日向かい妙味を示唆しており、同様の割安ポジションにある素材関連株人気再燃をリードしよう。
またハイテク株では安川電機<6506>(東1)、富士通<6702>(東1)、セイコーエプソン<6724>(東1)、太陽誘電<6976>(東1)、島津製作所<7701>(東1)、HOYA<7741>(東1)、消費関連株ではアサヒグループホールディングス<2502>(東1)、神戸物産<3038>(東1)、ニトリホールディングス<9843>(東1)が、いずれも信用取組倍率が1倍~4倍台と拮抗しており、再動意には順張り対応も一考余地がある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)