【編集長の視点】立花エレテックは分割落ち後安値水準から5連騰、今期純利益減益転換予想を織り込み下げ過ぎ訂正
- 2015/7/17 10:14
- 編集長の視点
立花エレテック<8159>(東1)は、9円高の1446円と5日続伸し、今年7月9日につけた株式分割権利落ち後安値1290円から底上げしている。
同社株は、今3月期純利益を前期に計上した特別利益の剥落で減益転換と予想したことで下値を探る動きを続けてきた。しかし、今期の売り上げ、営業利益は続伸と実態は好調をキープし、配当も、年間24円(前期実績23円)に増配を予定、さらに2021年3月期に売り上げ、営業利益を約50%伸ばす積極的な中期経営計画を推進していることから、日柄・値幅的にも織り込み済みとして下げ過ぎ訂正買いが増勢となっている。
■国内でFAシステムなどの営業力をアップさせ中国・東南アジア需要も取り込む
同社の今3月期業績は、昨年12月に前期業績を上方修正したことに続き、売り上げ1650億円(前期比11.9%増)、営業利益52億円(同7.0%増)、経常利益54億円(同5.9%減)、純利益35億円(同35.7%減)と予想された。
国内では、昨年7月に取得して11月に営業を開始した東京支社ビルにより首都圏を強化するとともに、同12月に約7億円で株式を追加取得、子会社化した高木商会がフル寄与、同10月に発足させた「ロボットシステム営業プロジェクト」によりシステムソリューション事業を本格展開させ、海外では、同11月に中国国内で開設した6番目の青島営業所などにより中国、東南アジアの需要を確実に取り込むことなどが要因となる。純利益は、子会社化した高木商会に関連して前期に計上した負ののれん発生益15億9900万円が一巡して減益転換する。
一方、中期経営計画は、創立100周年を迎える2021年3月期を最終年度に、国内で構築した「技術商社」の好ポジションを海外でも確立させ、FA技術センターや半導体海外技術センターの充実拡大などでアジアの産業界を支える「電機・電子の一大技術商社」として、海外売り上げ比率を現在の約18%から30%にアップさせ、業績的には売り上げ2200億円、営業利益75億円を目指す。
■値幅・日柄調整が一巡し低PER・PBR修正でまず権利落ち高値奪回
株価は、昨年12月に発表した株式分割(1対1.2)と前期業績の上方修正を好感して1849円高値まで200円高し、今年3月末に1811円で株式分割の権利を落とした。権利落ち後は、落ち後高値1600円から同安値1290円へ25日移動平均線を下回るまで下値を探り、値幅的にも日柄的にも調整一巡感を強めている。PERは10倍台、PBRは0.7倍と下げ過ぎを示唆しており、権利落ち高値奪回から権利落ち埋めに進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)