三菱重工業はタイの超大型複合火力発電所プロジェクトでM701JAC形GTCCの3号機が運転を開始

■現地IPPガルフ・グループと三井物産の合弁企業向け、2ヵ所の総出力530万kW規模

 三菱重工業<7011>(東証プライム)は4月7日、タイ最大の独立系発電業者(IPP)であるガルフ・エナジー・デベロップメント社(Gulf Energy Development PCL)と三井物産<8031>(東証プライム)の合弁事業会社が進める天然ガス火力発電所2ヵ所の建設プロジェクトで、2021年10月の2号機運転開始に続き、3号機を完工して3月31日に運転を開始したと発表。

 2018年に、M701JAC形ガスタービン8基で構成される総出力530万kWのガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)火力発電設備をフルターンキー契約で受注したもので、併せて25年間の長期メンテナンス契約(LTSA)も締結している。累計運転時間160万時間超、これまでに世界で83台の受注実績を誇るJ形およびそれをさらに進化させたJAC形ガスタービンにおいて、同プロジェクトは東南アジアにおけるM701JAC形の初受注事例であり、2024年に予定される全8基での運転開始に向けて建設工事を進めていく。

 両発電所は、いずれも首都バンコクの南東約130kmに位置しており、チョンブリー(Chonburi)県とラヨーン(Rayong)県に建設されているもので、出力はいずれも265万kW。天然ガスを主燃料とし、電力はタイ電力公社(EGAT)に販売され、高効率のクリーン電源として同国の電力の安定供給に貢献していくことが期待される。

■チョンブリー県で合弁会社ガルフSRC社が運営、2021年10月の2号機運転開始に続き3機目

 今回3号機が運転を開始したのはチョンブリー県の発電所で、合弁事業会社のガルフSRC社(Gulf SRC Company Limited)(ラヨーン県の発電所は、Gulf PD Company Limitedが運営)が運営している。発電所の運転最適化のために開発した解析プラットフォームをはじめとする同社のインテリジェントソリューションサービス「TOMONI」も導入しており、すでに運転開始をしている初号機・2号機に続き3号機でもプラントを遠隔監視し、信頼性の高い運転・保守を全面的にサポート。初号機は1年間、2号機は半年間の商業運転をすでに行っており、高い稼働率を誇っている。

 同プロジェクトにおけるGTCC発電設備は、発電所当たり4系列で、ガスタービン、蒸気タービン、排熱回収ボイラー、発電機などそれぞれ4基で構成される。同社はガスタービン、蒸気タービンなどを製作・供給、発電機は三菱電機<6503>(東証プライム)が供給する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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