【どう見るこの株】Link-Uは底固め完了、22年7月期増収増益予想

どう見るこの株

 Link-U<4446>(東証プライム)はサーバープラットフォームビジネスを展開し、コンテンツホルダーと協業したマンガ配信サービスを主力としている。さらに新たな収益基盤確立に向けて新規事業開発にも注力している。22年7月期は増収増益予想としている。第2四半期累計は販管費増加で減益だったが、売上面は大幅伸長している。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は1月の上場来安値を割り込まずに推移して底固め完了感を強めている。基調転換して出直りを期待したい。

■サーバープラットフォームビジネスでマンガ配信サービスが主力

 自社設計のオリジナルサーバーを基軸としたデータ配信と、そのデータを適切に蓄積・分析・処理するAIソリューションを併せて、ワンストップで提供するサーバープラットフォームビジネスを展開している。マンガに適した画像とするためのトーンをグラデーションにする処理技術や画像圧縮技術などに強みを持ち、コンテンツホルダーと協業したマンガ配信サービスを主力としている。

 20年9月にリベラルマーケティングを連結子会社化した。21年6月にはComikey Mediaに出資して資本業務提携した。アジアコンテンツの全世界配信プラットフォームサービス「Comikey」を立ち上げる。22年2月には持分法適用関連会社のコンパスを連結子会社化した。連結子会社化に伴って、コンパスは自社データを活用したオリジナルIPとなるコンテンツ作成に注力する。

 マンガサービス以外の新たな収益基盤確立に向けて、根幹のサーバープラットフォームを活用した新規事業の開発も推進している。21年12月には地震予測AIサービス「ゆれしる」をリリースした。22年3月には経済コンテンツアプリ「PIVOT」をリリースした。

 事業区分は、レベニューシェア収益および月額固定収益(サブスクリプション)のリカーリングサービス、リカーリングサービス案件獲得のための初期開発・保守開発サービスとしている。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 4月4日に移行した東京証券取引所の新市場区分については、プライム市場を選択するとともに、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。

 計画期間を22年7月期~24年7月期として、収益力の向上(海外事業展開、新規事業育成、M&Aの活用)、コーポレートガバナンスの充実(新規機関投資家との対話実施、コーポレートガバナンスコード対応)などにより、企業価値の向上(時価総額の増大)を図る方針としている。

■22年7月期増収増益予想

 22年7月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが、営業利益以下への影響は軽微)は、売上高が21年7月期比32.5%増の21億65百万円、営業利益が7.8%増の2億43百万円、経常利益が0.9%増の2億21百万円、親会社株主帰属当期純利益が8.6%増の1億43百万円としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比47.8%増の10億09百万円、営業利益が15.2%減の1億05百万円、経常利益が18.3%減の96百万円、親会社株主帰属四半期純利益が24.3%減の60百万円だった。

 販管費の増加で減益だったが、売上面は大幅伸長した。売上高の内訳は、主力のリカーリングサービスが31.2%増の8億16百万円、初期開発・保守開発サービスが3.2倍の1億92百万円だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ33百万円増加している。営業利益以下への影響はなかった。

 第2四半期累計の進捗率は、売上高が46.6%、営業利益が43.4%、経常利益が43.5%、親会社株主帰属当期純利益が41.9%だった。やや低水準の形だが、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は底固め完了

 株価は1月の上場来安値を割り込まずに推移して底固め完了感を強めている。基調転換して出直りを期待したい。4月8日の終値は763円、時価総額は約108億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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