【注目銘柄】浅沼組は株式分割の権利取りを中期計画がサポート、年初来高値奪回に再発進

注目銘柄

 浅沼組<1852>(東証プライム)は、配当権利落ち後安値4865円から底離れする動きを強めてる。同社株は、3月31日に株式分割を発表しており、この分割権利取りを同社が推進する中期経営計画がサポートしており、株主厚遇銘柄として買い増勢となった。また大阪を地盤とする民間建築主体の業態から、大阪・関西万博、カジノ関連の人気材料も底流するとして側面支援材料視されている。

■中期計画の還元政策変更で高配当は次期、次々期も積極予定

 株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げ同社株式の流動性を高め、投資しやすい環境を整え投資家層の拡大を図ることを目的にしている。7月31日を基準日に1株を2株に分割する。一方、中期経営計画では、昨年11月に株主還元政策の配当を上方修正し、2022年3月期配当は、昨年4月の当初策定時の年間260円から363円へ引き上げるとともに、2023年3月期配当も同じく274円から382円、2024年3月期配当も282円から395円にそれぞれ増配している。

 一方、目下集計中の2022年3月期業績は、やや伸び悩み傾向で推移し、中期経営計画での次期2023年3月期業績は微減益予想となっているが、受注高は、注力しているリニューアル工事を国内はもちろん、タイ、シンガポールの拠点を新設してアセアン地域にも展開することなどから拡大計画となっている。2022年3月期業績は、売り上げ1400億円(前期比0.8%増)、営業利益53億4000万円(同0.9%増)、経常利益52億8000万円(同1.6%減)、純利益41億7000万円(同0.8%増)と見込み、中期経営計画の最終年度の2024年3月期業績は、受注高1466億円、売り上げ1373億円、営業利益67億3000万円、純利益45億4000万円を目標業績としている。今年5月13日に3月期決算の発表を予定しており、次期業績のガイダンス動向が注目されることになる。

■インカムゲインにキャピタルゲイン人気も加わり高値奪回に再発進

 株価は、昨年11月の中期計画の配当修正でストップ高して5630円高値まで買われ、その後の5000円台下位でのもみ合いから、今年3月に東証1部年間配当利回りランキングのトップ10にランクインするとして配当権利取りが高まり年初来高値5650円へ再急騰した。この配当権利落ちで4865円安値へ突っ込んだが、株式分割の発表で5080円までリバウンドし5000円台固めを続けてきた。配当利回りは、中期計画の2023年3月期配当でも7.50%と高利回りでPERも9.8倍、PBRも0.98倍と割り負けている。インカムゲインとともにキャピタルゲインの値幅効果も期待され、年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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