今週の当特集は、この100年を隔てた「温故知新」は、新型コロナウイルス感染症の関連株への原点回帰をリ-ドしているのではないかと取り上げることとした。折から国内では、「第6波」収束で「まん延防止等重点措置」が、3月21日に解除されたにもかかわらず新規感染者がリバウンドから増加に転じて「第7波」への懸念を強めている。4月末からはゴールデンウイーク入りとなるだけに、厳重警戒が呼び掛けられている。
関連株は、もちろん「三密回避」のマスク、除菌剤やワクチン、治療薬などの関連株がベースとなる。しかしここでは少し視点を変えてみた。オミクロン株の感染拡大が始まった今年1月以降に、東証の適時開示情報欄のリリース掲載やマスコミへの露出度の多くなった銘柄をまず取り上げることとした。例えば新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まった2020年当初の該当株は、ワクチン開発のアンジェス<4563>(東証グロース)であったが、ここに来て目立っているのは、今年2月25日に治療薬の製造販売承認申請の塩野義製薬<4507>(東証プライム)といった具合である。
ゴールデンウイーク前後に「第7波」の懸念が強まるなどとするとお叱りを受けそうだが、「転ばぬ先の杖」として新旧の関連株、定番銘柄にスタンバイするのも一法となりそうだ。
■治療薬は好悪材料交錯の塩野義製薬を先頭にワクチン・検査薬も存在感
治療薬の塩野義製薬は、経口投与型治療薬が動物実験で胎児異常を起こすと報道され1000円超幅の急落と高値波乱となっているが、同薬は2月25日に厚生労働省に製造販売承認を申請し、承認後の同省の購入にも基本合意しており、今回の動物実験結果は承認に影響しないとしている。ただ4月17日付けの日本経済新聞では、治験で十分な有効性が示せていないとして早期承認が難航と伝えられており、露出度は良きにつけ悪しきにつけ抜群である。このほか治療薬ではアイロムグループ<2372>(東証プライム)、キョーリン製薬ホールディングス<4569>(東証プライム)、富士フイルムホールディングス<4901>(東証プライム)、バイオベンチャーのFRACTALE<3750>(東証スタンダード)、メディシノバ<4875>(東証スタンダード)、オンコリスバイオファーマ<4588>(東証グロース>も浮上し、治療薬ではないが、研究用のマウスを開発したトランスジェニック<2342>(東証グロース)や非接触型水栓のSANEI<6230>(東証スタンダード)にも人気が波及しそうだ。
ワクチン・検査薬ではデンカ<4061>(東証プライム)、H.U.グループホールディングス<4544>(東証プライム)、日水製薬<4550>(東証プライム)、ミズホメディー<4595>(東証スタンダード)、ファルコホールディングス<4671>(東証プライム)、ビー・エム・エル<4694>(東証プライム)、タカラバイオ<4974>(東証プライム)などが存在感を発揮しよう。
■ワクチン接種の4回目を前に関連株を見直し定番銘柄もサバイバル
「第7波」阻止に向けて4回目のワクチン接種が急がれているが、この接種サポートでは、シミックホールディングス<2309>(東証プライム)、ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス<4433>(東証プライム)、MRT<6034>(東証グロース)、キャリア<6198>(東証グロース)のリリースが見直される公算は大となる。
関連の定番銘柄では、川本産業<3604>(東証スタンダード)の神出鬼没ぶりは特筆ものだが、同じマスクの白鳩<3192>(東証スタンダード)、クラレ<3405>(東証プライム)、中京医薬品<4558>(東証スタンダード)、アズワン<7476>(東証プライム)、興研<7963>(東証スタンダード)、重松製作所<7980>(東証スタンダード)、ユニ・チャーム<8113>(東証プライム)、さらに医療用マスクの新都ホールディングス<2776>(東証スタンダード)、防護服のアゼアス<3161>(東証スタンダード)にもサバイバル相場が期待できそうだ。さらに手指消毒薬の花王<4452>(東証プライム)、フマキラー<4998>(東証スタンダード)、キングジム<7962>(東証プライム)も外せず、除菌剤ではニイタカ<4465>(東証プライム)や消費者庁から景品表示法の措置命令も受けてトラブル中の大幸薬品<4574>(東証プライム)も、この一角に位置する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)